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コラム 2025.07.25

経営者の決断をサポートする「TCG REVIEW」

この記事では、「中堅・中小企業の成長を加速させるためのポイント」を5つ解説し、それらを実装するために必要なタナベコンサルティングの提言について紹介します。さらに、タナベコンサルティングの発行する経営者の決断をサポートするメディア「TCG REVIEW」について解説しています。

 

◆この記事で学べること◆
1 中堅・中小企業が成長を加速させるための5つの要素
・ 明確なビジョンと戦略
・顧客中心のアプローチ
・柔軟性とイノベーション
・強固な組織文化と人材育成
・財務基盤の安定性

2 100年先も、顧客から一番に選ばれるために
・ファーストコールカンパニー
・「5つの成長モデル」を実装しよう
・経営者リーダーシップの本質(トップマネジメントアプローチ「8つの流儀」)

3 「TCG REVIEW」を活用しよう
・経営者の決断をサポートするメディア「TCGレビュー」
・コンテンツのご紹介

 

 

中堅・中小企業が成長を加速させるための5つの要素

 

中堅・中小企業が持続的に成長し、競争の激しい市場で成功を収めるためには、いくつかの要素を押さえる必要があります。これらは、経営戦略の基盤となるだけでなく、企業文化や組織運営にも深く影響を与えます。本記事では、企業成長の促進に欠かせない5つの要素を解説します。

 


 

1. 明確なビジョンと戦略

 

中堅・中小企業が成長するための第一歩は、明確なビジョンを持つことです。経営者はビジョンを通じて、企業が目指す未来の姿を示し、従業員やステークホルダーに進むべき方向性を示します。

 

ビジョンを実現するためには具体的な戦略が必要です。市場分析や競合調査を基にした戦略的な意思決定が、企業の成長を加速させます。

 

関連記事:中堅・中小企業の戦略と人材マネジメントの連動性:岡原 安博

中長期ビジョンのシナリオ設計と数値目標設定のポイント:石丸 隆太

 


 

2. 顧客中心のアプローチ

 

顧客のニーズを深く理解し、それに応える製品やサービスを提供することは、企業が成長する上で必須。また、顧客満足度を向上させることでリピーターを増やし、口コミによる新規顧客の獲得も期待できます。顧客の声を積極的に収集し、製品やサービスの改善に生かす姿勢が、競争優位性を築く鍵となります。

 

関連記事:タナベコンサルティング ブランディング・戦略PR情報サイト「ブランディングに関する企業アンケート調査レポート 2024年」

タナベコンサルティング ブランディング・戦略PR情報サイト「企業成長のカギはブランド力 -ブランドサーベイ(調査)の重要性-」

 


 

3. 柔軟性とイノベーション

 

市場環境や顧客のニーズは常に変化しており、その変化に迅速に対応できる柔軟性と、新しい価値を創造するイノベーションが、企業の成長を支える重要な要素です。特に、デジタル技術の進化が加速する現代においては、最新のテクノロジーを活用した革新的な取り組みが競争力を高めます。

 

関連記事:イノベーションが生まれる中堅・中小企業の組織とは:入山章栄氏

 


 

4. 強固な組織文化と人材育成

 

企業の成長は、従業員の力によって支えられているため、強固な組織文化を築き、従業員が自分の能力を最大限に発揮できる環境を整えることが重要です。また、継続的な人材育成を通じて、変化する市場に対応できるスキルを持つ人材を育てることが、企業の競争力を維持するポイントとなります。

 

関連記事:組織変革で実現する働き方改革:藤巻 桂太

人的資本経営「実践元年」に進めるべき人材育成:森田 裕介

 


 

5. 財務基盤の安定性

 

成長を目指す企業にとって、安定した財務基盤は欠かせません。収益性の向上やコスト管理を徹底することで、持続可能な成長を実現できます。また、適切な資金調達や投資戦略を通じて、成長のためのリソースを確保することも重要です。財務の健全性は、企業の信頼性を高める要因にもなります。

 

関連記事:サステナビリティ経営×企業財務:鈴村 幸宏

コーポレートファイナンス概論 :福元 章士

 


 

企業が成長するためには、明確なビジョンと戦略、顧客中心のアプローチ、柔軟性とイノベーション、強固な組織文化と人材育成、財務基盤の安定性という5つの要素が重要です。これらをバランスよく実践することで、企業は持続的な成長を実現し、競争の激しい市場で成功を収めることができます。

 

 

100年先も、顧客から一番に選ばれるために

 

ファーストコールカンパニー

 

タナベコンサルティングでは「ファーストコールカンパニー」という戦略コンセプトを提唱しています。100年先も、顧客から一番に選ばれる会社のことであり、この価値観を社内で共有化することが大切です。それが会社のサステナブル(持続可能)な経営を約束します。

 

【図表】ファーストコールカンパニー宣言

【図表】ファーストコールカンパニー宣言

 

1.顧客価値のあくなき追求
業界や業際(異なる事業分野にまたがること)がなくなりつつある中、会社としての強みを磨き、時代に合わせて顧客価値を追求する取り組みが必須です。変化を恐れず、柔軟に対応しながら新たな道を切り開いていく姿勢が求められています。

 

関連記事:経営の可視化とDXによる顧客価値向上:リコージャパン

 

2.ナンバーワンブランド事業の創造
自社が顧客に提供している付加価値を、ナンバーワンのブランド事業へ高めていく必要があります。「事業」という概念が非常に大事であり、会社のブランドを商品(製品やサービス)のレベルから、事業のレベルにレイヤー(階層)を上げていくことが求められます。

 

さらに、「コーポレートブランド」へアップデートする努力を続けるべきです。商品から事業、事業からコーポレートというブランディングによって、一気通貫でブランド価値をデザインすることが重要です。

 

関連記事:PR戦略でナンバーワンブランドを確立する:飯島 智佳

 

3.強い企業体力への意志
「強い企業体力」とは、実質無借金経営の財務体質をいいます。そのためにまず、経常利益率(経常利益÷売上高×100)は10%を目指します。それを10年連続で達成できれば、おのずと実質無借金体質が実現することになります。経常利益率を10%まで引き上げるには、必ず「ブランド価値」という付加価値を乗せる必要があります。

 

4.自由闊達に開発する組織
自社のビジネスモデルを変えるためには、開発力が必要となります。開発力は、社員同士が自ら自由にワイワイと開発していくことで養われます。

 

「開発する組織(チーム)」とは、組織で開発力を持つということ。持続的に商品や事業を新しく生み出していく力を、個人レベルではなく、会社の機能として取り込んでいるのがサステナブル企業の特徴です。

 

自由闊達に開発できる会社は強いものです。経営者自身は「発明家」になるのではなく、「企業家」として組織で発明を生み出していくことが大切です。

 

5.事業承継の経営技術
事業承継の経営技術とは、理念という志を組織で承継し、その実現に100年以上挑戦し続けるための活動とも言えます。

 

経営者一人では何もできないと認識し、経営者自身が志を明らかにして従業員の協力を得る「宣言マネジメント」を展開する必要があります。宣言マネジメントの一つとして、会社を100年以上存続させるためのロードマップの中に、目指す方向が明確に入っているかどうかをチェックしてみてください。チェックの指針として、ファーストコールカンパニーの5つの宣言を活用し、どのように高めていくかを意識していくことが重要になります。

 

関連記事:TCG REVIEW「事業承継」一覧

 

「5つの成長モデル」を実装しよう

 

タナベコンサルティンググループは、ビジョンで掲げている「One & Only――唯一無二の経営コンサルティンググループの創造」を実現するため、「5つの成長モデル」の実装戦略に取り組んでいます。これらのモデルの実装を通じて、自社のアップデートに挑み続けています。皆さまの会社の成長モデル実装の一助になればと思い、ご紹介します。

 

1 プロフェッショナルDXモデル
企業経営において、いまやデジタルやDXは欠かせません。タナベコンサルティングでは、ファーストコールカンパニー宣言にある「顧客価値のあくなき追求」を目指し、デジタルコンサルティングの領域を「ビジネスモデルDX」「マーケティングDX」「マネジメントDX」「ヒューマンリソースDX」の4つに区分し、クライアントの戦略構築からDX実装まで切れ目なく一気通貫で支援しています。

 

このバリューチェーンを追求するための4つのDX実装を「プロフェッショナルDXサービス」と定義し、資本提携やM&AによってDX領域を強化しています。

 

関連記事:タナベコンサルティング デジタル・DXの戦略・実装情報サイト

 

2 新しい価値が生まれる自由闊達な組織モデル
時代の変化とともに移り変わる顧客ニーズや経営課題に対応するには、既成概念や固定観念にとらわれない新たな価値を自由闊達に開発する組織が必要です。
タナベコンサルティングでは、新たなニーズや課題テーマに対しチームを組成し、コンサルティングメソッドの開発を行い、さらにチームコンサルティング部門化、またはM&Aを含むセグメント事業会社化を進める事業開発ステップにより、コンサルティング領域の多角化とグループ経営を推進する「コンサルティング&コングロマリット(C&C)戦略」を加速させています。

 

関連記事:自由闊達に開発する組織:長尾吉邦

 

3 クライアント・サクセスモデル
タナベコンサルティングのチームコンサルティングは、大手・中堅企業に対するリアルな地域リージョナル戦略と、デジタルマーケティングモデルとの融合による「ハイブリッドマーケティング」でクライアントを成功に導きます(クライアントサクセス)。

 

そのために戦略総合研究所(Webマーケティング、ナレッジマネジメント、CRMコンサルティングなど)に加えて、コーポレート本部、各グループ会社など、TCGが一体となってクライアントをサポートできる組織デザインを目指しています。

 

4 エンパワーメント&エンゲージメント・リーダーシップモデル
チームコンサルティングを担うプロフェッショナル人材やパートナー人材(チームリーダー人材)の採用・育成に向け、早い段階から権限を与えるエンパワーメントシステムの確立、プロフェッショナル人材やパートナー人材を評価・登用する人事制度、多様な人材が働きやすい職場環境を整えるダイバーシティー&インクルージョン制度を開発・導入しています。

 

5 プロフェッショナルがより速く、より多く育つアカデミーモデル
プロフェッショナル人材を自ら育成する仕組みとして、タナベコンサルティングではリアル&クラウドの企業内大学「TCGアカデミー」を開校・運営しています。「プロフェッショナル学部」を創設し、各専門領域の人材育成をサポートするとともに、グループ各社との人材交流や育成プログラムを共有化しています。

 

また、パートナー人材を育成する「TCGリーダーシップアカデミー」、デジタル人材を育成する「デジタルアカデミー」なども設置しています。

 

関連記事:経営者・人事部門のためのHR情報サイト:企業内大学設立支援アカデミーコンサルティング

 

経営者リーダーシップの本質
トップマネジメントアプローチ「8つの流儀」

 

タナベコンサルティングでは、経営者リーダーシップの本質として、次の8つの項目を定義しています(トップマネジメントアプローチ「8つの流儀」)。

 

1 「空気」を読むより「志」を自問する――理念なき経営は滅ぶ――
リーダーには世論や空気に流されず、事実を押さえ、時に「空気に水を差す」思考が求められます。そのためには、創業の精神・得意先・社員と徹底的に向き合い、寄り添うことが重要になります。

 

2 「新しい事実」を創り出す勇気―ゼロベースで未見に挑む
未来を創るのは「新しい事実」のみであり、過去の事実や常識は通用しません。特に答えのない世界では、勇気という名のリーダーシップが必要です。ゼロベース発想で「未見」に挑んだ結果として生まれた「新しい事実」だけが、「答え」「正解」になるのです。

 

3 「貢献価値」をデザインする力――変化を経営できる会社だけが生き残る――
「会社として顧客や社会に貢献できる価値とは何か」。リーダーは、そのことを自らに強く問いかける必要があり、TCGではそれを「貢献価値」と呼んでいます。

 

過去に強みだった存在価値も、社会や顧客から求められなければ消失してしまうため、自社の存在価値を「貢献価値」へデザインし直さなければなりません。能動的に貢献価値を追求できる「変幻自在な会社」だけが、有事でも生き残ることができるのです。

 

4 チームワークで真の強みを連結する――長所連結主義のすすめ――
いつの時代も「真の強み(長所)」が戦略の起点であり、それはチームワークの良い組織にしか見つけることができないものです。経営者・社員、商品(製品・サービス)はもちろん、パートナー企業の強みなども含まれます。経営者リーダーシップには、それらを力強くつなぐ「真のチームワーク力」が求められます。

 

5 スピード・説明責任・現場対応力――共感と腹落ちのリーダーシップ――
有事の際はスピードを高めるため「緊急対応チーム」を組成します。このチームは手続きや調整をなくし、トップ直轄にして権限を集中させた、重点・集中・徹底のリーダーシップが大切です。

 

次に、ステークホルダー(利害関係者)への説明責任を果たすことが求められます。SNSやコーポレートサイトの活用が有効となります。

 

そして、権限委譲(エンパワーメント)を実施し、現場対応力を阻害する障害物はすべて取り除くことも有事の経営者リーダーシップで大切になります。

 

6 デジタルリーダーシップの発揮――DXがわからない経営者は落第――
デジタル戦略投資には、非常に具体的な実装力が求められます。それだけに、デジタルにおけるリーダーシップは、経営者が発揮すべき重要なリーダーシップの1つになっています。顧客・社員のためになるデジタル戦略投資は、躊躇なく実行するべきです。

 

関連記事:TCG REVIEW DX一覧

 

7 決断力を高める――社長の仕事は決断――
経営者リーダーシップは決断そのものであるといっても過言ではありません。決断とは、情報不足の中で決める行為です。どのようなときでも「社長とは、自分自身を客観的に見つめ、その客観性で自分自身を変えることのできる人」でなければなりません。「経営者は決断から逃れることはできない」と自覚しておくことが大切です。

 

関連記事:TCG REVIEW 変化を経営するリーダーシップ

決断を行うのは、経営者である:稲岡 真一

 

8 「過去肯定・現状改善・未来創造」の思考法――悲観的に準備して楽観的に行動する――
経営者リーダーシップには、「過去肯定(今があることに感謝)、現状改善(あるべき姿に対する正しい危機感)、未来創造(明日というまだ見ぬ未来は明るくなければならない)」という思考、癖と呼べるほどの思考法が必要です。

 

また、危機に直面したときには対症療法ではなく、「未来先取りの創造対応」をすることこそが、経営者リーダーシップなのです。

 

関連記事:チームコンサルティング理論 企業変革と持続的成長のメソッド(ダイヤモンド社、編著:若松 孝彦・タナベコンサルティング 戦略総合研究所)

 

「TCG REVIEW」を活用しよう

 

経営者の決断をサポートするメディア「TCG REVIEW」

経営者の決断をサポートするメディア「TCG REVIEW」1
経営者の決断をサポートするメディア「TCG REVIEW」2

 

TCG REVIEWは、タナベコンサルティンググループの経営メソッドを軸に、ファーストコールカンパニー(100年先も一番に選ばれる会社)を志す社長・経営者・リーダーの「決断」をサポートするメディアです。

 

実践マネジメントを学べる「オープンプラットフォーム」として変革を促すヒントを発信。日本におけるコンサルティングファームのパイオニアとしてOne&Only(唯一無二)の価値を提供いたします。

 

TCG REVIEW メディアサイトでは、2000記事を超える質の高いコンテンツを通じて経営者の皆様の決断をサポートします。

 

◇◆コンテンツのご紹介◇◆

 

100年経営対談: 成長戦略を実践している経営者、経営理論を展開している有識者など、各界注目の方々とタナベコンサルティンググループ社長・若松孝彦が、「100年経営」をテーマに語りつくす対談シリーズです。

 

コンサルティングメソッド: タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。

 

コンサルティングケース: タナベコンサルティンググループのクライアントが持続的成長に向け実践している取り組みをご紹介します。

 

モデル企業: 優れた経営戦略を実践する企業の成功ストーリーを紹介します。

 

研究リポート: タナベコンサルティンググループが誇る、経営層のための学びと体験の場「研究会」。研究リポートでは、各回の学びのポイントをリポート形式でまとめています。

 

最先端を行く豊富な経営ナレッジを集積したTCG REVIEWを、ぜひ持続成長を追求する貴社の経営にご活用ください。

 

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