コラム
2021.12.17
Vol.11 チームで生産性を高めるには
生産性とは何か
生産性とは、生産性=投入量(インプット)に対する産出量(アウトプット)の比、と定義されています。
インプットするものは、ヒト・モノ・カネ・時間・情報などの経営資源、アウトプットされるものは、付加価値、生産量、売上高です。生産性向上の観点では、最小限の投入量で、最大限の産出量を生み出すことが目標となります。
付加価値に貢献しないインプットは経営資源ではなく、単なる「ムダ」です。このムダをいかに削減するかが、業務改善の第一歩となります。
生産性の向上は「社員満足」にもつながります。生産性の向上により高い給与を得た社員は、さらに高みを目指して改善に取り組みます。社員同士が切磋琢磨し、英知を結集することで、組織全体が活性化していきます。
このように、業務改善は「組織の風土改革」にも寄与するものです。改善が改善を呼び、組織全体の収益力が高まります。善循環のスパイラルを描く企業への進化を目指して、業務改善に取り組んでいきましょう。
チームワーク成立のための3つの条件
チームワークが成立する条件は、共通目的(Mission)、機能分化と役割認識、自発行動の3つです。
共通目的(Mission)
前提として、チームの共通目的(使命感~目標)が明確であること。企業やスポーツにおいては、共通目的や目標があることで初めてチームとして成立します。
機能分化と役割認識
チームの目標を達成する上で、役割の明確化が必要になります。企業では、営業、管理、生産などの機能を分化し、それぞれの機能を発揮することで、チームの総合力を発揮できます。
自発行動
リーダーが指示し、メンバーが実行するという関係性だけでは強いチームにはなりません。チームの共通認識のもと、メンバー1人1人が役割を認識し、自発的に行動できる(=チームワークが発揮されている)状態をつくることが必要です。
チームワーク発揮に欠かせないリーダーの役割
リーダーは、チームワークを成立させる「共通目的」「機能分化」「自発行動」の3つをバランスよく意識し、実行することが求められます。バランスが崩れるとメンバーが混乱し、チームの生産性が低下してしまいます。
目的を理解し、役割を認識し、自発行動を取ることで、リーダー自らがモデルになることが重要です。
人間は誰でもクセ(偏り)を持っています。自分自身の状態や特性を理解し、意識的にバランスを取れるリーダーを目指しましょう。
メンバーに問題があると感じたら、リーダーは自身の接し方やアドバイスの仕方について振り返る必要があります。また、メンバーが成果を出せないときは、自分自身の課題として認識する視点が大切です。
業務改善に必要なスキルを身に付けよう
業務改善において必要なのは、「数字」と「ロジック」に強くなることです。
数字は、メンバーを納得させ、目標の目線を一致させる手段となります。リーダーの現状認識が主観的だったり、目標が定性的な場合、メンバー全員を納得させ、動かすことは難しいでしょう。
ロジックに強いとは、目標達成に向け「誰もが納得できるストーリーを組み立てる能力」があることを言います。
リーダーは、1人1人の行動とそれに伴う成果の積み上げが、大きな成果になる道筋を描かなければなりません。プロセスがゴールにつながることに納得して初めて、メンバーは能動的に行動することができます。
リーダーシップの本質は「的確な判断力」です。リーダーは目標を共有し、メンバーに対して事実に基づく判断と、何をすべきかを明確に伝えなければなりません。その時「数字とロジック」が、万人を納得させる共通言語として機能します。
3つのマネジメントで生産性を高める
「数字」「ロジック」「的確な判断力」をベースにした、生産性向上へのアプローチ方法として、タスクマネジメント(業務管理)、プロフィットマネジメント(利益管理)、タイムマネジメント(時間管理)があります。
タスクマネジメントは、目的にあった形で業務を設計して手順を明確化し、実行改善していく一連の流れを指します。プロフィットマネジメントは、儲けの構造を理解し、業績のツボを押さえ、数字を用いた管理で利益を生み出すこと、タイムマネジメントは仕事の優先順位を明確にし、チーム全体の効率化・生産性向上をしていく能力です。
ムダのない業務設計のポイント
業務のムダを排除するためには、まずムダを発見しなければなりません。正しく現状を分析し、ムダのない業務設計をすることが業務改善のスタートとなります。
現状認識の第一歩として、自らの業務を棚卸ししてみましょう。「ムダな仕事を洗い出し、付加価値の高い業務に時間資源を集中させる」ことが目的です。
次に、洗い出した業務の評価を行います。貢献度(業績に対するインパクトの強さ)と連携度(その仕事に関わる人数)を評価軸として、ポジショニングマップを作成すると、4つの業務に分類できます。
バリューアップ業務は、貢献度・連携度とも高く、相対的に質・量とも大きく、中核をなす業務です。スキルアップ業務は、貢献度は高いものの連携度が低いので、個人の能力を高めて業績に貢献する業務です。
スピードアップ業務は、仕事そのものは付加価値を生まないものの、役割分担しないとできない業務。クリーンアップ業務は貢献度、連携度とも低く、付加価値も生まず、単独で行う作業レベルの業務です。
現場改善を行うリーダーはまず、問題点の全体像を押さえることから始めなければなりません。モレやムダのない改善を行うためには、じっくり考える時間を確保することも重要です。
業務ごとに整理し、生産性改善の方針を立てる
業務ごとに区分できたら、次にそれぞれの生産性改善方針を立てていきます。ポイントは次の通りです。
バリューアップ業務…充分な時間を費やし最高のパフォーマンスを発揮する
スキルアップ業務…業務時間を計画段階であらかじめ確保しておく
スピードアップ業務…段取りよくこなし“合理的な手抜き”をする
クリーンアップ業務…社内外へのアウトソースを検討する
業務を区分することで、重点を置くところ、簡略化・効率化するところのメリハリが付けられるようになります。ポイントを押さえた方針を立てて、生産性改善を進めていきましょう。
※本文・図はタナベ経営主催「業務改善スクール」のテキストを抜粋して制作しています。