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【研究リポート】

ホールディングス・グループ経営モデル研究会

6つのホールディング経営タイプをベースに、新たなグループ企業を研究します。自社がどのようなホールディングスモデルとして進化するのか、共に考えましょう。
研究リポート2024.06.10

SANYOグループの目指すホールディング経営:SANYOホールディングス

【第5回の趣旨】
ホールディングス・グループ経営モデル研究会では、ホールディングス・グループ経営における狙いや経験を講義やディスカッションの機会を通じて、自社のホールディングス・グループ経営に反映するヒントを提供する。ノウハウの提供に留まらず、実体験を交えたグループ経営の課題や、経営層から現場の従業員に対する対応など、成功モデルを構築した企業を紹介。ホールディングス・グループ経営システムの構築支援の実績を数多く持つタナベコンサルティングのコンサルタントによるメソッド講義や、先端事例の紹介、特別ゲストによる資本戦略が多様化する中でのコオウンド経営について事例やグループでの取り組みを交えた講演をリアルタイムで配信した。

開催日時:2024年5月21日(東京開催)

 

 

SANYOグループの目指すホールディング経営:SANYOホールディングス

 

三陽建設株式会社 取締役総務部長
SANYOホールディングス株式会社 経営推進部長 山本 貴光 氏

 

 

はじめに

 

SANYOホールディングスは、グループ創業が大正9年(1920年)で創業100年を超えた歴史ある企業である。ホールディングス傘下には事業会社を2社有しており、いずれも総合建設業を主な業務としている。

 

企業の将来を見据え、安定性と永続性のある企業の在り方について検討した結果、ホールディング経営の導入という結論に辿り着いた。ホールディングス化の最大のテーマは「経営理念や人づくりの考え方をしっかりと伝承すること」。同族承継や節税対策を目的とするのではなく、「心豊かな人生を送る」ことを実現できる組織体制の確立のためにホールディング経営を導入した。

 

企業内での取り組み事例について、企業内改革の取り組みの先導役である山本部長より語っていただいた。

 

SANYOホールディングスの企業概要

 


 

まなびのポイント 1:社員みんなで『心豊かな人生を送る』

 

建設業でも休みが取れて家族サービスができるように社員(その家族も含む)が幸せを感じられるようにしたいとの考えから、社員みんなで『心豊かな人生を送る』ことを実現する手段の一つとしてホールディングス化が推進された。

 

ホールディングス化においては、オーナーの資本保全や単なる節税対策を柱とした組織変更ではなく、「安全性」と「継続性」を持った組織を作るための組織変更を目指した。

 

多様性を認めそれぞれが支え合い、最良の能力を発揮して働ける会社にすることで、社員の主体性やモチベーションが向上し、生産性の向上につながる。また人材の確保にもつながり、企業が継続的に発展していく好循環を作る取り組みを実施している。

 

SANYOの取り組み

 

 

 

まなびのポイント 2:持株会を中心とした非同族経営

 

これまでの企業発展の歴史の中で、同族株主ではなく、外部株主が多く存在したことが同社グループの特徴である。今回のホールディングス化を機に一部外部株主から株式を買い取り、社員持株会を設立した。社員持株会にて保有する株式は、保有者である社員が退職する際は社員持株会へ売却する仕組みとなっており、外部への株式の分散を防いでいる。

 

配当還元が充実しているため、社員持株会の新規募集時は応募者が殺到する人気振りである。毎年社員持株会総会が開催され、株主からの意見聴収も実施されている。現状、同族株主は0%で役員と社員持株会で議決権の70%超を占めており、社員参画型の経営スタイルへと変化している。

 

SANYOホールディングスにおけるHD経営のポイント
※本資料は講義資料をもとにタナベコンサルティングにて再構成

 

 

 

まなびのポイント 3:次世代を担う人材を育成する仕組みづくり

 

「目指す人材像と成長のステップ」を明確にしたうえで、社内に「SANYO Academy」を設立した。社内講師を指名してカリキュラムごとのテキスト制作を社内で進めている。テキストは受講管理ツール内で共有されており、社員はいつでも見られるようになっている。Academyは、経営者まで育てられる仕組みを作ることを目指して日々進化している。

 

人事評価の仕組みは「SANYOネバーエンディングストーリー」として5年前に改定。「社員一人一人に自身の物語を作っていってほしい」との想いを持って策定した。毎月の上司面談実施をルール化しており、コミュニケーションを重視し、人材育成に主眼を置いた人事評価制度となっている。

 

次世代を輩出する仕組み

 

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