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【研究リポート】

マーケティングイノベーション研究会

顧客の購買行動が激変する時代の中、コミュニケーションモデルを新たに創造し実践するため、最先端のマーケティング事例を学び、自社での展開をサポートします。
研究リポート2023.09.11

メタバースはビジネスに使えるのか?メタバースイベントがマーケティングにもたらす価値とは:株式会社 ジクウ

【第1回の趣旨】
当研究会は、「自社のファンを創造・育成するためのコミュニケーション設計を最先端事例から学ぶ」という趣旨のもと、ゲスト講師をお招きし、LTV向上の成功ポイントについて事例を交えながら紹介している。
第1回では、ゲスト企業に明光ネットワークジャパンとジクウを迎え、リアル・デジタルの観点から自社のブランド・サービス・商品のタッチポイントを創出していくためのDX活用例を紹介していただいた。

開催日時:2022年10月21日(東京開催)

 

 

株式会社ジクウ
代表取締役 堀 譲治 氏

 

 

はじめに

 

”時空を超え、時を活かす 世界の繁栄に貢献する”をミッションとして掲げるジクウ。現実を凌駕するボーダレスな空間として提供しているメタバースは、売り手にも買い手にも必要とされる新しい出会いの場となっている。地域を超え、国を超え、言語を超えた新たな空間は、新しい出会いと気づきとビジネスを生み出すと期待が高まっている。

 

最先端のメタバースというデジタルプラットフォームを使ったビジネスイベントが注目を集める中で、メタバースを使用することによるメリットを、リアルイベントや、2Dで実施する通常のオンラインイベントと比較しながら、マーケティング視点で解説する。

 


 

まなびのポイント 1:最先端のデジタルプラットフォーム「メタバース」とは

 

複数のユーザーが同時参加し、その場でコミュニケーションをはかれる三次元の仮想空間をメタバースと呼び、高い没入感が体験できることに特徴がある。メタバース内で自分の分身として存在するアバターを使い、空間内を自分の意志で動き回れ、また、アバター同士でコミュニケーションをとることも可能だ。ビジネスでの活用として、仮想店舗やショールーム、オンラインミーティング、街並み再現、技術トレーニングなど幅広いシーンで注目されている。80社以上が参加した「バーチャルマーケット2021」では、100万人以上の参加者が集まり、大規模なイベントとして話題を呼んだ。

 


ジクウが提供するメタバースの活用例。リアルの展示会のようなオンラインイベントを実現できる

 

まなびのポイント 2:オンラインイベントの現状

 

オンラインイベントが広がる中で、主催者側は「遠方からの参加者を見込める」「運営費を削減できる」ことをメリットに感じている。アフターコロナ以降もビジネス系イベントはオンラインで参加したいという声が8割以上ある中で、「飽きない仕掛けづくり」「双方向性の高いコンテンツ」という課題がある。

 

海外においても、アフターコロナにおけるビジネスイベントはオンラインとリアルのハイブリッドで実施したいという声が6割以上あるという。バーチャルイベントでメリットに感じる点は「来場者数とリーチの増加」であると見られている。


「シーコン・メタバースEXPO 2022」にてサイボウズ社パートナーによる展示会をZIKUのメタバース空間で実施

 

 

まなびのポイント 3:2Dオンラインイベントとメタバースイベントの違い

 

メタバースを使ったビジネスイベントでは、3DのCGで臨場感あるイベント会場を再現でき、来場者はその中をアバターとして興味のあるブースを自由に訪問できる。2Dで行われる通常のオンラインイベントとメタバースイベントの違いは次の2つだ。1つ目は、メタバースという新規性によって他社と差別化でき、集客効率が改善すること。2つ目は、セミナーだけでなく展示ブース空間も併設できるため顧客接点が増え、メインの商材だけでなく他商材への興味喚起・接点の向上がはかれること。

 

メタバース空間ではリアルイベント同様にリアルタイムで営業担当者と来場者のコミュニケーションがとれる。ビジネス系イベントにおけるメタバースの活用は今後も進んでいくと考えられる。

 


メタバースの宣伝効果もあって、集客は昨対4.7倍。ブース当たりの平均リード獲得数も約100件という結果になった
 

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