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コラム
タナベ語録
タナベコンサルティンググループの経営コンサルティングの基盤となっている考え方を、各テーマに沿って紹介します。
コラム 2021.09.01

Vol.03 “デザイン”こそ社長の仕事

   
ミッション(使命)をデザインする
  ミッションが戦略になり、ビジネスモデルで成長力と収益力に差がつく時代、社長の決断とも言える設計思想(デザイン)が、会社の持続的な成長を約束します。社長がデザインすべきことは、次の4つです。   1)あなたの会社のミッション(使命)は何か 2)成長モデルは何か。やること、やらないことは何か 3)ビジネスモデルは何か 4)目指すべき収益構造・財務構造は何か   あなたの会社やあなた自身は、何に命を使うのか。どんな社会課題・顧客課題に「真正面から向き合うのか」を問うものです。設計思想のないビジネスだと業界の常識に流され、事業としての主体性を持たず、やがて輝きを失います。    
その先にある課題の解決へ
  多くの会社には社是・企業理念・経営理念などが存在します。いずれも創業者や社長の思い・哲学が織り込まれているものです。同時にこれらは企業における最高水準の価値判断基準となるものであり、企業としての在り方やステークホルダー(利害関係者)に対する考え方が示されています。   では、ミッションとは何でしょうか。   ミッションとは理念に基づいた企業の存在価値や使命であり、言い換えれば「社会的役割」です。したがって、企業におけるミッションとは「社会の課題を解決すること」。そしてこのミッションを追求するためには、ソリューション(課題解決技術)が必要であり、このソリューションこそがビジネスモデルとして展開されていくのです。          
ビジネスモデルをデザインする
  ビジネスモデルとは、あなたの会社のミッション、すなわち、誰(解決する顧客価値)に対して、何(提供価値)を、どのような手段(提供方法)で提供し、収益はどのように上げるのかを示したものです。         社長が描くべきは、ビジネスモデルをどのように変化させるべきか。顧客、顧客価値、提供価値、提供方法、収益モデルを見直し、あなたの会社のビジネスモデルを確立しましょう。ビジネスモデルの変革なくして、成長力と収益力は変わりません。  
ナンバーワンブランドへ育成しよう
  顧客から一番に選ばれる会社・ビジネスモデルとなるには、顧客のマインドシェアを高め、ナンバーワンブランドへと育成していかなければなりません。 ブランディングのプロセスは次の7つです。         あらゆるカテゴリーにおいて、顧客の心の中にあるものは、1つか2つ、多くて3つ。4番目に思い浮かぶものは、なくても困らない存在です。これが、マインドシェアの法則です。極論すれば、「同じ会社は2社いらない」のです。また、マインドシェア1位の商品と2位の商品では利益率に大きな差が出ることも証明されています。   タナベ経営では、ブランドを「顧客との約束」と定義しています。ビジネスモデルを確立し、その価値を顧客に宣言し、磨き、実現していくことで、顧客から一番に選ばれる会社・ビジネスモデルへとブランディングをしていくことが大切です。
   
高付加価値・高収益のビジネスモデル
 
高付加価値・高収益を実現し、揺るぎない財務体質を築くためには、まず意思を固めるところから始めることです。   業績とは意思です。社長とは、自ら業績目標を設計する人であり、与えられる人ではありません。これを社長の業績ミッションと呼びます。   業績目標の考え方は、業界平均値ではなく、あるべき数値基準の追求です。 これは、好業績を上げ続ける社長に共通する特徴でもあります。   【意思としての業績目標(例)】 【安定性】自己資本比率 50%以上 【成長性】売上高成長率 10% 【収益性】売上高経常利益率 10%以上 【生産性】1人当たりの経常利益 300万円/年   また、事業リスクを回避し、多様化・専門化する顧客に対応していくためには、ミッションを軸にして、提供価値や提供方法の多角化を図ります。そのような多彩なビジネスモデル戦略をとることが不可欠です。   そもそも現在は顧客が「多様化・専門化」しているため、一つのビジネスモデルだけでは対応できにくくなっていると言えます。    
組織デザインを5つのポイントからチェック
  戦略を実現する組織をいかにデザインするのでしょうか。これについては、少なくとも5つのポイント(質問)からチェックしておくことが重要です。   1つ目の質問は、「あなたの会社が、今後取り組もうとしている戦略は、経営資源の再配分が伴っているか」   経営資源とは「ヒト・モノ・カネ・情報」です。経営資源の再配分を伴わない実行は戦略ではありません。また、経営資源は戦略遂行の源であり、同時に、分散すべきものでもあります。「卵を1つの籠に盛らない組織」は「リスク分散の組織」でもあるからです。   2つ目の質問は、「あなたの会社の組織で、適材適所になっていない部署はどこか。その理由は何か。いつまでに解消すべきか」   適切な人材を適切な場所に配置できれば、組織はその機能を何倍も発揮します。逆ならば、どのように組織図を描いても機能しません。   「資源配分における人材、人事配置」に経営者は細心の注意を払う必要があります。経営者には、適材適所を判断できる目とバランス感覚が求められます。   「人事を変えれば会社は変わる」のです。「戦略とは、何をするのか、と同じぐらいに誰がするのか」が重要です。   3つ目の質問は、戦略を実行するためには、「あなたの組織における“権限と責任”をどのように設計するか」。「権限委譲によって真に自律できる組織」があってこそ「事業戦略を推進できるパワー」になります。   4つ目の質問は、「戦略コンセプトや業績単位と、それを実行する組織形態は一致しているか」。 組織形態は、機能別組織、事業部別組織、カンパニー組織、ホールディング組織、分社組織などに分類できます。「あなたの会社が今後の戦略(業績)を実現するためには、どの組織単位が最も適しているか」を考える必要があります。   5つ目の質問は、「自分は年収の何倍の利益を稼ぐ必要があるのか、という生産性の本質を理解している人材が何人いるか」。組織の生産性の指標は、直間比率、階層比率、組織年齢、労働分配率、粗利益率の5つです。     ※本文・図はタナベ経営主催「社長教室」のテキストを抜粋して制作しています。