【第1回の趣旨】
人的資本研究会は、今期のテーマとして「人材投資は活育サイクルをどう磨くか!人への投資がこれからの企業価値を決める」を掲げている。
第1回では、ゲスト企業2社による講演を実施。週休3日から「週休3日制を活用した働き方の最適化とZ世代に向けた採用戦略手法」について、ミラタップから「社員の活躍を支える組織活性の取り組み」についてご講演いただいた。
開催日時:2025年2月18日(大阪開催)
はじめに
2016年、「20年後に生きる人も、生きていて良かったと思える世界を創る。」を企業理念に週休3日を創業。前職時代に共働きや子育ての働き方に悩んだ同社代表取締役の永井宏明氏の経験を生かし、配置価値ではなく、人材の存在価値に重きを置いた週休3日制の導入支援を行っている。
同社は、「週休3日」をキーワードに、人手不足に悩む企業と働き方に悩む求職者をマッチングする職業紹介事業を展開。また、週休3日制を活用しながら介護施設の運営や運営代行など幅広い事業を手掛けている。
今回の講演では、これらの事業体系と働き方を踏まえ、週休3日制が生み出すメリットやZ世代に向けた発信方法、週休3日制と人的資本経営とのつながりについてご講演いただいた。
週休3日制の導入と人的資本経営の関係
週休3日と人的資本経営
社員の目的を支える手段としての働き方
昨今、人的資本経営を重視する経営者が増えており、週休3日制もその施策の1つとして注目されている。同社が実施したアンケートでは、「仮に転職先を探す場合『週休3日』という選択肢がある方が魅力的に感じますか。」という質問に対して、「とても魅力的」と答えた人が全体の54.3%と半数以上が関心を示している。
実際に、制度を活用している社員の多くは、夢の追求、農業、資格取得、研究活動など、明確な目的を持っている。つまり、週休3日制(働き方)は、社員が持つ目的を実現するための手段の1つと言える。
しかし、単に施策として導入するだけでは失敗を招く可能性がある。週休3日制を成功させるためには、理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を明確にし、それと連動させることが重要だ。組織として働き方に対する思想を適切に表明し、その上で選択肢を提示することが制度を効果的に活用するための鍵となる。
週休3日が実施した「20代・30代働き方アンケート」結果(2022年9月)
週休3日薬剤師.com
企業と人を週休3日でつなげる
現在、調剤薬局では従来の働き方の常識が通用しづらい状況に直面している。薬局側には、残業短縮や有給取得の厳格化など働き方に関する改善が求められる一方、顧客からは土・日・祝日の営業や開局時間の延長といった要望が高まっている。また、「長時間労働の常態化による薬剤師の不定着」「離職を防ぐための高報酬設定」といった課題も深刻化している。
このような状況に対して、同社は週休3日制を活用して解決を図っている。週休3日制を導入することで、土・日・祝日や夕方以降のシフト管理が可能となり、薬局の課題解消に寄与している。また、同社は「週休3日薬剤師.com」を通じて、人材不足に悩む調剤薬局と働き方に悩む薬剤師を週休3日制でつなぎ、双方の課題解決に貢献している。
週休3日薬剤師.com
Z世代への情報発信ポイント
Z世代の採用手法
週休3日の選択肢は、採用活動においても強力な武器となる。特に、「プラス1日の休み」をどのように活用するかに焦点を当てた採用戦略が有効である。
Z世代に向けた情報発信において、画像・記事・動画など視覚的に分かりやすいコンテンツに加え、SNSの活用が重要である。Z世代は情報収集の際、認知→応募→内定受諾→入社までの各段階でWEBサイトやSNSを含めたトータルリサーチを行うため、ハローワークや求人サイトだけで完結するのは難しい。
同社の場合、複数のSNSを活用して短時間で大量の情報を凝縮して伝えるショート動画の作成に注力している。このように、適切な情報発信手法を用いてターゲットとなる人材にメッセージを届けることが採用成功の鍵である。
Z世代に向けた情報発信のポイント
