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モデル企業

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【企業事例】優れた経営戦略を実践する企業の成功ストーリーを紹介します。
モデル企業 2024.09.01

ブランディングを通して漢方をより身近な存在へ

クラシエ薬品

デジタル&リアルを駆使し普及に向けて情報発信

 

「クラシエの漢方」のウェブサイトには、商品情報はもちろん、症状ごとにお勧め漢方を紹介するセルフチェッカー「あすみて」や体質診断ができる「からだかがみ」といった漢方選びの入り口となるツールに加え、漢方薬を処方している医師を探すことができる「漢方ナビ」までそろっている。さらに、「クラシエの漢方が伝えたい100のこと。」では、品質や原材料、製造体制について詳しく情報を提供。漢方薬メーカーの心臓部である情報まで公開することで、高品質や安全性、安定供給に対する同社の思いやこだわりを発信している。

 

一方、リアルの現場でもクラシエの漢方の浸透に向けた施策が進行中だ。例えば、ドラッグストアなどの店頭で、漢方について分かりやすくまとめた小冊子「漢方はじめてブック」を配布したり、二次元コードを使って処方の解説や注意点を動画で確認できる仕組みを提供したりするなど、消費者と漢方の接点を増やす取り組みを進めている。

 

また、消費者にアドバイスする立場にある販売員や薬剤師、医師に向けたサポートにも力を注いでおり、医療従事者へ情報提供するオウンドメディア「漢方優美」やeラーニングを活用した販売員向けの漢方勉強会を開講。すでに全国のドラッグストア110社が活用している。

 

さらに、2024年1月には「漢方セラピー販売店様専用 ホットライン」を開設。「店頭での漢方薬に関するお客さまのお問い合わせは販売員にとって負担が大きく、苦手意識を持つ方もいらっしゃるため、開設に至りました」と砂橋氏は話す。

 

ウェブサイトやSNS、薬局、病院、メディアなど、あらゆるシーンで漢方との接点を増やして情報を提供し、漢方に対するハードルを下げていく。こうした多様な活動を通して一般用、医療用ともに漢方薬事業の業績は右肩上がりに伸びており、クラシエの漢方は着実に暮らしの中に浸透しつつある。ただ、これはゴールではない。

 

「漢方を通して生活者の不調を改善していくこと。これが私たちの大きな使命です。そこに腰を据えて、これからもクラシエの漢方の認知を広げていく取り組みを継続していきます。漢方に対して、『分かりづらい』『怪しい』といった印象を持っている方もまだいらっしゃいます。そこを払拭するために、漢方と生活者の距離を縮め、身近に感じていただけるような取り組みを、クラシエの漢方という大きなくくりの中で今後も行っていきたいと考えています」(砂橋氏)

 

左からクラシエ薬品 マーケティング部 課長 砂橋 久瑠実氏、企画部 主任 井内 舞氏
左からクラシエ薬品 マーケティング部 課長 砂橋 久瑠実氏、企画部 主任 井内 舞氏

 

COLUMN:入り口を増やし、漢方の裾野を広げる

もっと漢方を身近な存在へ。その思いからリアル、ネットを含めて多彩な取り組みを展開するクラシエ薬品。その一環として2013年からクラシエ薬品が運営するのがオウンドメディア「Kampoful Life」(カンポフルライフ)だ。「カラダ」「ココロ」「キレイ」「食べる」「楽しい」の5つの切り口から漢方の知恵や美と健康に役立つ情報を提供するほか、会員登録すると体質診断の結果から自分に合った記事や漢方を勧めてくれる。ECとも連携しており、商品購入も簡単な人気コンテンツだ。
また、CSR活動の1つとして、2017年から小中高校生を対象とする「漢方教室」を全国で展開。2024年8月に兵庫県神戸市で開催された同教室では、実際の生薬を使って葛根湯をつくるプログラムを通して、漢方を身近に感じてもらうと同時に、漢方の有効性や安全性などを子どもたちに直接伝えている。
クラシエ薬品は漢方のリーディングカンパニーとして、間口を広げながら一人一人の体と暮らしを見つめ続けていく。
漢方に関する情報を多面的に発信しているオウンドメディア「Kampoful Life」
漢方に関する情報を多面的に発信しているオウンドメディア「Kampoful Life」

 

 

クラシエ薬品 (株)

  • 所在地 : 東京都港区海岸3-20-20
  • 創業 : 1972年
  • 代表者 : 代表取締役社長 草柳 徹哉
  • 売上高 : 325億円(2023年12月期)