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モデル企業

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【企業事例】優れた経営戦略を実践する企業の成功ストーリーを紹介します。
モデル企業 2024.06.03

最も責任ある社長の仕事M&Aで「みんな良し」へ

清弘エンジニアリング

さらなるグループシナジーへHD体制が始動

M&Aで10社に増えたグループ企業は、全て井畑氏が社長を兼務してきたが、2024年3月に2社を清弘エンジニアリングの営業拠点と経営統合。事業活動を一元化し、間接業務も簡素化した。さらに、4月1日付でSGホールディングスを設立。各社の事業はそれぞれに任せるようにし、井畑氏はホールディングス全体の将来を見据えるという新体制のグループ経営が始動した。

「M&Aの成果で最も大きいのは、社員に事業長を経験するチャンスが生まれること。営業所の責任者が、グループインした企業の執行役員として事業長を担い、将来はホールディングス全体の経営に携わる幹部に育つ。また、空いた営業所のポジションを若い力に任せることで次期幹部への成長機会となり、やりがいも待遇もアップする。そんな非常に良いスパイラルが生まれるので、見ていて楽しいですね。社員がそれぞれにチャレンジし、どんどん成長していくのですから」(井畑氏)

グループ企業の一体感を高めるため、かつては新たにグループインした企業の名はM&A前の旧社名に「セイコー」ブランドを冠として付け加え、ダブルブランドを生かす戦略をとっていた。しかし、公共事業が主力事業である場合は、地域内では社名が確かなブランドとして根付いているため、変更することをやめる場合もあるという。

1つのグループとしてシナジーを高めながら、それぞれの会社もより良くなる。M&Aがもたらすメリットの大きさを実感する井畑氏は、全国の中堅・中小企業もどんどん活用してほしいとエールを送る。

「M&Aは社会にとって良いことです。かつては“ハゲタカファンド”のイメージが強かったですが、間違いなく社会貢献そのものです。当社は建設業に特化してより筋肉質な経営を目指していますが、企業によっては新たな事業領域へ手を広げる選択肢もあります。自信を持ってM&A戦略を打ち出していただきたいですね」(井畑氏)

M&Aによる成長戦略と善循環のスパイラルでグループ売上高100億円を達成した清弘エンジニアリングは、新たな夢をかなえるため、次代へと歩みを進めている。

【図表】清弘エンジニアリンググループ会社

出所 : 清弘エンジニアリングホームページよりタナベコンサルティング戦略総合研究所作成

清弘エンジニアリング 代表取締役 井畑 忠氏

 

 

(株)清弘エンジニアリング

  • 所在地 : 京都府京都市南区上鳥羽馬廻町58
  • 創業 : 1968年
  • 代表者 : 代表取締役 井畑 忠
  • 売上高 : 約104億円(連結、2024年3月期)
  • 従業員数 : 331名(連結、2024年4月現在)