—— これまでは部課長など管理職の方々が講師を務める研修が多かったそうですね。
木村 庁内や広域、どちらの研修でも管理職が講師役を担っています。ただ、ファシリテートの専門家ではありませんし、多くの業務を抱えながら準備に追われて負担も大きいのが実状です。
研修の目的や重要なポイントをしっかりと伝えながら、外部パートナーの力を借りることで、より視野が広く、掘り下げも深い研修ができることの優位性は高いと実感しています。タナベコンサルティングの講師の話がとても分かりやすく、参加者が発言しやすい雰囲気もつくってくれて、とても良い研修になりました。
—— 今後のさらなる人材育成についてお聞かせください。
木村 若手職員一人一人の変化と成長を、しっかり見守っていきたいです。研修会を終えた参加者について「指示を出す前に自分から先に意見を言ってくれるように変わった」と上司から報告が届いていて、狙い通りだったなと(笑)。
ただ、管理職が前例主義のままで「今までにやっていないことだからダメ」と言っていては、若手職員の姿勢が元に戻ってしまいます。町長である私や管理職が、まちや組織、この地域に何が必要かを理解し、若手だけではなく管理職や中堅職員、異業種交流など、継続的に多様なテーマの研修を実施できればと考えています。
もちろん、実施には予算が必要です。財政状況を改善しながら研修予算を増やしていますし、北海道市町村振興協会の広域研修助成金などを活用しています。自治体や居場所が違っても、4町村の共通認識である「ここでしか体験できないこと」の価値や魅力を発信し、それぞれの発展に、また岩宇地域の地域力向上に結び付けていきたいと思っています。
—— 最後に、同じように地域創生の課題解決に挑む自治体の方々へ、また岩内町の未来をつくる職員の皆さんへエールをお願いします。
木村 内向き志向にならず外へと視野を広げ、発信していくことが大事です。役場には、漁師や農家、ITビジネスの経営者など、さまざまな分野の方々が訪れます。それぞれどんなことに悩み、苦労し、面白みを感じているのか、顔の見えるつながりを通して知ることができるのが自治体職員の醍醐味です。私自身も技術系職員として40年余り、たくさんの人と語り合うことを楽しみながら経験を重ねてきたことが、大きな財産になっています。
職員には、まずこのまちを知ってもらい、さらに好きになってもらわないと、本当に町民に寄り添った仕事はできないと思っています。まちを知り、好きになる職員が集う組織になっていくことが「わがまち」の発展と持続可能な姿につながると確信しています。
—— 町長室のドアはいつも職員に開いているのですね。一丸となってまちの未来づくりに挑み続ける岩内町を、これからもサポートしてまいります。本日はありがとうございました。
北海道岩内郡岩内町
- 所在地 : 北海道岩内郡岩内町字高台134-1