その他 2023.06.01

カルチャーを土壌にパーパス実現のパフォーマンスを最大化:シスコシステムズ

シスコシステムズ社内の様子。開放的なスペースで社員が食事や談話、打ち合わせなどを行う

 

 

2023年「働きがいのある会社」(大規模部門・従業員1000人以上)ランキング第1位に選出されたシスコシステムズ。デジタルイノベーションの力で、世の中や市場の変化に最適なワークシーンを提供する同社は、自らも競争力ある人材・組織へと変革し続けている。

※GPTW(Great Place to WorkⓇ ジャパン)が2007年に開始した「2023年版 日本における『働きがいのある会社』ランキングベスト100」。GPTWは1980年代からグローバルに「働きがい」を調査・分析し、シスコシステムズ日本法人は2018・2021年度にも第1位に選出された

 

 

生産性向上からイノベーションの促進へ

 

ITプラットフォームのコミュニケーションツールや「Webex」(Web会議アプリケーション)など、グローバルにネットワーキングソリューションを提供するシスコシステムズ。DX推進の頼れるパートナーとして多様なワークシーンの進化を支える同社日本法人は、自社でもいち早く「働き方改革」を推進してきた。

 

2001年に営業職の在宅勤務制度を導入し、2007年には制度対象者を拡大してフリーアドレスやペーパーレスなどオフィス環境も刷新。2011年の東日本大震災では在宅勤務が全社員の共通体験となり、その後も多様性ある柔軟な働き方を実現するI&C(インクルージョン&コラボレーション)活動を展開。コロナ禍前には在宅勤務やミーティングのリモート参加など、柔軟なハイブリッドワークが当たり前の姿になっていた。

 

「在宅勤務という働き方も、コラボレーション(協業)を実現するオフィスも、効率化や生産性の向上だけで終わらず、市場の変化に対応し新たな価値を創り出すイノベーションの促進を大切にしています。その起点となるアイデアは多様な視点から生まれますし、世代や属性が異なる社員が社内にいることを強みに変えていく取り組みがI&Cです。

 

優秀な人ほど、新たな挑戦機会を求めて会社を辞めていきます。だからこそ当社で働く価値を、会社と社員が対等な視点で考えることやEX(Employee Experience:従業員体験価値)の向上が、とても大切です。HR(Human Resource:人的資源管理)から、働きがいやワクワク感など社員のエンゲージメントを高めてWin-Winな関係を築くHC(Human Capital:人的資本経営)へと、日本の経営も変わり始めています」

 

そう笑顔で語る執行役員人事本部長の宮川愛氏は、働きがいには2つのベクトルがあると指摘する。「働きやすさ」と「やりがい」だ。前者は、柔軟な人事制度や快適な職場、福利厚生の充実など、働きにくさを感じる要素を取り除くことが必要になる。より重要なのが後者で、モチベーションを左右する要因として、次の3つを挙げる。「自分らしさを仕事に生かす裁量」「新たな挑戦で得る成長」「目の前の作業で終わらない世の中への貢献」だ。

 

「パーパスに掲げている『すべての人にインクルーシブな未来を実現する』。その根底にあるのが裁量、成長、大義を実感できるカルチャー(企業文化)です。自分の仕事が未来や貢献につながると感じるような働きがいを日々のオペレーションでどのように育むか。その重要性が高まっていると感じています」(宮川氏)