オンラインで講師と受講生をつなぎ、質の高いプログラミングの学習サービスを提供するコードキャンプ。プログラミングが一般教養になっていく近い将来に向け、テクノロジー人材の育成事業で人と社会の成長を加速させている。
現役エンジニア講師が、生徒の習得度に合わせてマンツーマンで指導を行う
学び直しも初心者も歓迎のオンライン個別指導
経済産業省によれば、IT関連産業の人材不足はますます加速し、今後、深刻な事態に陥ると予測されている。ビッグデータやIoTなどの新サービスが続々と登場してIT需要が拡大するにもかかわらず、生産年齢人口の減少により国内の人材供給力は低下。2030年には少なくとも約16万人、場合によっては最大約79万人弱のIT人材が不足すると試算※1され、育成が急務となっている。
産業のIoT化が急速に進む現在、ソフトウエアやウェブサイトを作るエンジニアは増えており、新卒市場では毎年3万人強が新たにIT人材として就職※2する。だが、それでも業界は慢性的な人材不足で、争奪戦の様相を呈している。今後、市場価値の高い人材になるためにプログラミングを学び直すのは、キャリア形成の選択肢の一つと言えよう。
だが、プログラミングの習得は簡単ではない。人間が話す自然言語と異なり、機械に理解させるためのプログラミング言語は誤字・脱字に非常に厳しい。少しの言い間違いなら自動的に正しい言葉に変換できる人間の脳とは異なり、たった1字でも間違えば機械は動かない。厳密なルールに従うことを強要される上、コンピューターの複雑な概念が初学者の前に立ちはだかり、プログラミングをとっつきにくいものにしている。独学でチャレンジし、早々に諦めた人も少なくないだろう。
「だからこそ、プログラミングはマンツーマンで学ぶのが効率的なのです。言語といっても、外国語を学ぶのに比べれば格段に易しい。的確な手引きがあれば、プログラミングは難しいものではありません」
そう話すのは、コードキャンプ代表取締役CEOの堀内亮平氏である。同社はオンライン完結型のプログラミングスクール「CodeCamp」を運営。現役エンジニア講師による実践的な個別指導で人気を博し、2013年のサービス開始以来、順調に受講者数を増やしている。
※1、※2ともに、経済産業省・みずほ情報総研「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)IT人材需給に関する調査」(2019年3月)
スキルやニーズに合わせて多彩なコースを提供
CodeCamp受講者の比率は、学生が2割、社会人が8割である。
「プログラミングのスキルを身に付けて転職したいというニーズが多いですね。介護などITとは別業種・職種に就いていてゼロから学ぶ方もいれば、出産を機に退職したけれどエンジニアとして復職したいと学び直す方もいます」(堀内氏)
実際、受講生の多くはIT業界への転身や復職を果たし、エンジニアとして活躍している。累計受講者は2万5000人(2020年1月現在)を超え、業界では頭ひとつ抜けた存在だ。
提供しているコースは、初心者コース、必要な知識や技術だけを学べるコース、全てのレッスンを受け放題のコースなど、スキルやニーズに合わせた7種類。受講期間は2カ月、4カ月、6カ月の中から選べる。
例えば、「Webマスターコース」では未経験からウェブを構築できるスキルを、「Rubyマスターコース」ではスタートアップ企業で多く使われるプログラミング言語Rubyを習得できる。レッスン回数は、期間が2カ月なら20回、6カ月なら60回。2カ月コースの場合、自分で予復習する時間が増えるが、それも含めて学習時間の目安は週に20~25時間だ。講師は指名できるので、相性の合う講師とカリキュラムを続けられる。
受講料は「Webマスターコース(2カ月)」で入学金を含め17万8000円(税抜き)。決して少ない投資ではないが、LINEやガンホー・オンライン・エンターテイメント、セプテーニホールディングスといった大手IT企業が研修として導入する優れたカリキュラムを、自分の都合の良い時間にマンツーマンで受講できるならリーズナブルといえよう。
講師の採用率は6%の狭き門
CodeCamp受講者の満足度は高い。会員向けのレッスン評価アンケート(2018年10~12月期)では、94.6%がレッスンに満足と答えている。リアルでの対面授業ではなく、オンラインでの受講という制約があるのに、なぜそこまで満足度が高いのだろうか。
「オンラインであることは、むしろメリットです。就業前でも、夜でも、土日でも、朝7時から夜11時まで自由に受講時間を選べますし、通えるスクールがない地域にお住まいでも、ネット環境さえあれば受講できます。しかも、講師は生徒と画面を共有できますから、コードが間違っていたらすぐに指摘できる。プログラミングの学習環境という意味では、理想的と言えるかもしれません」(堀内氏)
個別指導であることもCodeCampの強みだ。講師は、受講者一人一人のレベルに合わせて立ち止まったり、分かっているところは早足で駆け抜けたりと、効率的にカリキュラムを進められる。受講者は疑問があればすぐに質問できるので、習得前に挫折してしまうことも少なくなる。集合型の研修では、そこまでのきめ細い対応は望むべくもないだろう。
コードキャンプは講師の質にもこだわっている。
「当社の講師は、全員が現役のエンジニアです。この業界は技術の進歩が速いので、スキルがすぐに陳腐化してしまいます。そのため、常に最新の技術に触れているプロにのみ講師をお願いしているのです」(堀内氏)
最近は副業を認めるIT企業が増えたため、講師の成り手に困ることはないという。
もっとも、現役エンジニアであれば誰でもよいわけではない。
「エンジニアのスキルと教えるスキルは、必ずしも一致しません。自分よりスキルの低い人材に『どうしてそんなことも分からないの?』と声を荒げるエンジニアもいますが、それでは受講生がついていけない。初心者の気持ちが理解できる人材かどうか、模擬面接を行ってしっかりと審査しています」(堀内氏)
現在、講師採用率はわずか6%。この厳しさがレッスンの品質と顧客満足度の高さにつながっている。
プログラミングは今後一般教養になる
CodeCampの受講生は、ITエンジニアを目指す人ばかりではない。AI開発の基本を学ぶコースでは、現役の医師も学んでいる。
「がんの画像診断システムを自分で構築したい、というご希望でした。AIを活用すれば、これまで医師の“神の目”頼りだった初期がんを、より早く、正確に発見できるようになります。ただ、大手の医療システム会社もこぞって開発を進めているので、個人では太刀打ちできないでしょう。でも、AIの知識があればシステム会社の提案内容を理解できますし、開発コストも計算できるようになります」(堀内氏)
ITの知識やスキルがあれば、発注者・共同開発者として設計や見積もりを正しく判断でき、製品であるシステムの品質も高められる。
ITがさらに産業や生活に欠かせなくなる今後、「プログラミングの知識がゼロ」というのは「常識がない」に等しくなりかねない。実際、企業に勤めるIT技術職以外の社員が、ビジネス教養としてプログラミングを理解するために「テクノロジーリテラシー速習コース」を受講するケースも増えている。
「テクノロジーの時代を楽しむ人を増やすことで、社会全体の成長に貢献していきたい」と語る堀内氏。コードキャンプは、テクノロジー人材の育成によって社会の発展を足元から支える存在を目指し、自社の成長も加速させていこうとしている。
テクノロジーの時代を楽しむ人を増やすことで、
社会の成長に貢献していきたい
コードキャンプ 代表取締役CEO 堀内 亮平氏
Column
デジタル社会を生き抜く力を育てる「CodeCampKIDS」
コードキャンプは小・中学生を対象にした「CodeCampKIDS」も開講している。ロボットやゲームのプログラミングの基礎を、オンライン講座のほか、東京都内にある教室で学ぶことができる。2020年度から小学校でプログラミングが必修化され、2021年度には中学校、2022年度には高校でも必修化が始まるため、盛況が続いているという。 「プログラミングは、いわば未来の“読み書きそろばん”。誰もが身に付けなければならない一般教養になるでしょう。プログラミングに苦手意識のある先生や親御さんの代わりに最適な学びの機会を提供することで、子どもたちの個性を伸ばしたいと考えています」(堀内氏)
PROFILE
- コードキャンプ㈱
- 所在地:東京都新宿区西新宿7-22-35 西新宿三晃ビル4F
- 設立:2012年
- 代表者:代表取締役 CEO 堀内 亮平
- 社員数:22名(アルバイト・出向含む、2020年1月末現在)