支援を持続させる仕組みを構築
グラミン日本は会員事業も展開している。貧困層への支援を持続するには企業の協力が不可欠で、すでに多くの企業が協賛している。企業に対して「フィーチャードパートナー」「プラチナパートナー」「ゴールドパートナー」「サポーター」と4カテゴリー用意し、それぞれ年会費を募り、その資金を原資に貧困者への融資を行う。
大企業を中心に多くの企業が支援しているが、会員企業の役割は資金支援だけではない。同法人と連携することでさまざまなメリットが生まれるという。
「会員になっていただくことで、新規事業の創出や既存事業の強化につながると考えています。例えば、SDGs(持続可能な開発目標)などのトレンドを知ることは、新しい事業のアイデアにつながります。融資希望者を既存事業の人材不足領域に登用いただけば、D&Iの推進に貢献できるでしょう。SDGsへの取り組みはブランディングにも結び付くはずです。企業活動にも有形無形、さまざまな効果が生まれますので、ぜひ協賛していただきたいですね」(百野氏)
現在、日本の拠点は東京と名古屋の2拠点だが、今後は地方の主要都市に拡大する方針だ。地方自治体にとっても、シングルマザーやワーキングプアの貧困化は大きな課題であり、雇用の創出が地域の活性化にもつながる。すでに仙台市では同法人の活動に注目する地方自治体があるという。今後の広がりに期待したい。
PROFILE
- 一般社団法人グラミン日本
- 所在地:東京都中央区日本橋本町1-3-2 山﨑ビル1F
- 設立:2018年
- 代表者:理事長 兼 CEO 百野 公裕