そもそもM&Aは、互いの長所と短所を補い合うところに最大の意義がある。戦略的なM&Aの多くも、自社に欠けているピースを埋めることに意義を見いだしているが、事業承継M&Aであっても基本が変わることはない。譲渡企業は事業が継続されることを望み、それが譲り受け企業のニーズとうまくかみ合えば、話はスムーズに進んでいく。だが、事業承継の場合、譲渡企業の多くは規模が小さく情報も少ないため、譲り受けを希望する企業は「こうした事業を展開したいので、マッチする企業を探している」と公言し、第三者の仲介を待つ以外に選択肢はほとんどなかった。
だが、ビズリーチ・サクシードを利用すれば、譲り受け企業は少なくとも2000件以上の譲渡企業情報から希望にマッチする企業を探すことができる。また、逆にその2000社のリストを見渡す中で、新たな事業の展望を着想することもできる。従来にはなかった発想の転換だ。
「中には譲り受けを希望し、リストを検索するうちに心変わりされ、ご自身が事業を譲渡する側に回った企業もあります。これまで見えなかった情報が見えるようになったことで、この市場は大きく活性化する可能性があると考えています」(前田氏)
人材マッチングサービスを手掛けるビズリーチは、ビジネスパーソンが自分の価値を知り、エージェントに頼ることなく自分で転職先を選択するという、求職者の行動を当たり前のものにした。力あるビジネスパーソンにとって、一生を一企業で終える姿は、すでに過去のものになろうとしている。ビズリーチ・サクシードが目指すところも、「価値を知ることを当たり前」にすることだという。
「これまで自社の価値がどれくらいあるのか、社会からどのように評価されているのかを知る術は限られていました。おのずと経営者自身の主観的な判断や、少数の近しい人による偏った判断を頼るほかない。それが経営の目を曇らせてしまっていた例も少なからずあったのではないでしょうか。少しでも事業承継をお考えであれば、まずはビズリーチ・サクシードに登録いただくとよいのではと思います。費用はかかりませんし、客観的なお声を聞くことができ、自分たちの現在地を確認することができるでしょう。あらゆる企業の情報が見える化され、M&Aによって事業が受け継がれていくことが当たり前になる、そんな未来を思い描いています」(前田氏)
BIZREACH SUCCEED利用の流れ
Column
急速に進む経営者の高齢化
「中小企業白書(2019年版)」によれば、中小企業経営者の年齢分布は年々、高齢化の一途をたどっている。1995年には45歳前後の経営者が最も多かったが、2015年は66歳が最多だった。社会人口の高齢化よりも急速に進展しており、2025年には約245万人の経営者が70歳を超えると推計されている。
一方、東京商工リサーチによる「2018年『休廃業・解散企業』動向調査」によれば、倒産件数は年々減少しているにもかかわらず、休廃業・解散企業は年々増加。2018年現在で約4万7000件が倒産以外の理由で休廃業・解散を決めている。その多くが後継者不足によるものとみられる。
帝国データバンクの「全国・後継者不在企業動向調査(2019年)」によると、企業の後継者不在率は65.2%と依然、高水準だ。最近は、一度は経営の第一線から退いたものの、後継者不在のため社長に復帰する「創業者の事業承継」が増えているという。高齢創業者が継ぐ“ 老老承継” が経営者の高齢化に拍車を掛けている。
出典: 中小企業庁「中小企業白書(2019年版)」
出典: 東京商工リサーチ「2018年『休廃業・解散企業』動向調査」(2019年1月21日)
PROFILE
- ㈱ビズリーチ
- 所在地 : 東京都渋谷区渋谷2-15-1
- 設立 : 2007年
- 代表者 : 代表取締役社長 南 壮一郎
- 従業員数 : 1367名(2019年10月31日現在)