環境変化により生じる社会課題の解決は急務である。
言い換えれば、新たなビジネスの機会が創出され、拡大している。代表例を4つ挙げよう。
各地・各分野で進む地域包括ケア
大手企業が先頭となり、地域連携によって「地域包括ケア」へ取り組む
住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生社会」を目指し、通いの場の提供といったコミュニティーの形成
栄養ケア・ステーションといった、地域住民・地域医療・地域専門家・民間企業などが用途に応じて参画する「地域専門ハブ」を提供
医療機関のシームレス化の加速
制度変更により定期的通院が困難な高齢者へ「遠隔診療」を強化(コロナ禍で加速)
遠隔診療と同様に、「訪問診療」「訪問処方」などの訪問型医療も強化
医師×アプリ開発メーカーによる治療アプリが承認され、医師がアプリで処方する時代が到来
健康寿命延伸に向けた未病・予防分野の進化
特定医療制度やレセプト(診療報酬明細書)の電子化によりデジタル化されたビッグデータを分析し、健康増進や病気の予防へ活用、医療費削減・遠隔診療にも効果的
リキッドバイオプシー(血漿、尿、唾液など)を利用した診断、腸内フローラによる個別傾向の把握といった未病予防が進化
一部の健康組合や市町村では予防・健康づくりに取り組む加入者にポイントを付与し、継続的・主体的な取り組みを推進
ヘルスケア業界をけん引するセルフヘルスケア市場
実年齢と健康年齢の差を踏まえ、健康への取り組みを推進(例:「肌年齢」「髪年齢」などヘルスケア全般で「○○年齢」が注目されている)
AIなどの技術を加味して、自分自身の健康状態にあったサプリメントを提供(例:顔の画像診断から最適な化粧品のリコメンドサービスなど)
フィットネスジム×自宅アプリ、ウエアラブルデバイスといったセルフヘルスケアの取り組みに向けた機器環境の整備が拡大