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コンサルティングケース
コンサルティングケース
TCGのクライアントが持続的成長に向け実践している取り組みをご紹介します。
コンサルティングケース 2022.04.04

土屋ホーム:ブランディングとデジタルマーケティングの同時展開で企業競争力が向上

 

アメリカのエピソードに衝撃を受け、営業のデジタルシフトを決意

 

—— 営業のデジタルシフトを推進されたきっかけは何だったのでしょうか。

 

山川:ブランディングの前提として、営業のデジタルシフトが念頭にありました。
きっかけは、タナベ経営とのディスカッションでした。その時、「アメリカの大手自動車会社はデジタルで顧客情報を集めてホームページで差別化を図っており、顧客はスマートフォンで買いたい車を決める時代になっている。日本の住宅業界もいずれそうなる」と聞いて衝撃を受けました。

 

それまで見えていなかった景色がはっきりと見えたことで、すぐに営業のデジタルシフトを決意。デジタルに欠かせない要素が「見せ方(ブランド)」と「情報量」でした。

 

—— 大きな戦略転換ですが、社内の反応はどのようなものでしたか。

 

山川:ほとんどの社員が反対しましたが、成功体験を重ねることで社員が前向きに取り組んでくれるようになりました。

 

持続成長にはビジネスモデルの転換が不可欠と考えて決断したものの、それまで当社はデジタルマーケティングとは無縁だったので、まずは札幌の7拠点のみで取り組みをスタートしました。デジタルシフトに確かな手応えを感じたのは、2020年のゴールデンウィークです。コロナ禍で展示場の来場者数が軒並み大幅に減少したにもかかわらず、札幌エリアの受注が20%増を記録。そうした成功体験をつくりながら、他拠点へ水平展開していきました。

 

 

全受注の半数以上がデジタルからの集客へシフト

 

—— 導入から3年が過ぎました。2ブランド制とデジタルマーケティングの成果はどのような形で現われていますか。

 

山川:現在、年間リード数は約1万4000件に上っており、そこから受注につながるケースも大幅に増加しています。

 

数字を分析すると、以前は年間のデジタルリード数が100~150件ほどでしたが、この3年間で100倍以上と大きく伸長。また、全受注に占めるデジタルからの集客も、以前は8.9%だったのに対して2021年は64%まで拡大しています。すでに全受注の半数以上はデジタルからの集客が占めるなど、ビジネスモデルが大きく変わりました。今後は、リードの数より濃さに重点を置いた施策に挑戦していこうと考えています。

 

 

年間デジタルリード数が100倍以上、デジタルからの集客率も64%と大幅に伸長

 

 

—— ブランドによって違いはありますか。

 

山川:2ブランドの立ち上げが経営改善につながっていますが、企画住宅『LIZNAS』の成長が業績に大きく貢献しています。

 

2ブランド体制にシフトする以前は注文住宅と企画住宅の構成比は9対1でしたが、2021年は6対4になりました。注文住宅の受注数はほとんど変化していないため、企画住宅の受注数がそっくり受注増になっているかたちです。デジタル営業が浸透した拠点では企画住宅の受注数が伸びているので、全エリアでデジタル営業を展開できれば企画住宅の割合をさらに上げられると考えています。

 

当面の目標は企画住宅の受注を5対5まで伸ばすこと。そうなると年間900棟も視野に入ってきます。企画住宅は設計コストが抑えられるため、経営改善にも大きく寄与しています。