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コンサルティングケース
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TCGのクライアントが持続的成長に向け実践している取り組みをご紹介します。
コンサルティングケース 2019.12.16

ダイワハイテックス:書店と通販をターゲットにお客さまに喜ばれるモノづくりを次代へ

 

ダイワハイテックス 代表取締役 大石 智也氏 1985年東京都板橋区生まれ。2008年同社入社。大阪支店で4年間の技術部勤務ののち、東京本社に異動。技術部、経理部、生産責任者を経て、2019年1月同社代表取締役に就任。さまざまな部署や立場で仕事をしてきた経験を生かし、これまで以上に「お互いに誇りを持って働ける会社」を目指し日々まい進中。

ダイワハイテックス 代表取締役 大石 智也氏
1985年東京都板橋区生まれ。2008年同社入社。大阪支店で4年間の技術部勤務ののち、東京本社に異動。技術部、経理部、生産責任者を経て、2019年1月同社代表取締役に就任。さまざまな部署や立場で仕事をしてきた経験を生かし、これまで以上に「お互いに誇りを持って働ける会社」を目指し日々まい進中。

 

書籍包装のノウハウを生かし物流業界へ参入

 

大嶺 出版不況が叫ばれて書店の経営が厳しさを増す中、通販を中心とした物流業界へ進出されました。その経緯をお聞かせください。

 

大石(孝) コミックシュリンカーの後も、モノづくりに意欲的に取り組み、各種の包装機・梱包機に加えて書店で使用する防犯システムや研磨システムを開発。さらに売り場づくりのサポートツールとなる販促アイテムなど新たなサービスを展開していきました。そして自社の持つ商品や市場を見極め、自社の力量に合った適正規模を深慮した末に、物流業界への参入を決めました。

 

大嶺 物流業界では後発になりますが、何が“強み”になりますか。

 

大石(孝) 書店と同様に、機械と資材をセットにしたビジネスが強みになると考えています。この強みを生かして、お客さまの立場に立った視点から経費や時間を大幅に削減する製品・サービスを提案します。

 

大嶺 “顧客視点”の発想が成功の鍵を握っているのですね。「よりコンパクトな商品を開発する」という考え方は、物流分野でも応用しているのですか。

 

大石(孝) 地価が上がって有効な面積をどう活用するかが至上命題になっていますから、なるべく小さくて軽い製品が良いに決まっています。しかし、そのようなお客さまの思いを感じられないメーカーの技術者がいまだに多いのは、残念です。

 

当社はお客さまに喜んでいただける製品を目指し、小型・軽量・簡単移動にこだわった商品開発に取り組み、自動バブルシート包装、自動シュリンク包装、自動ラベル貼り付け、自動ダンボール箱梱包、自動仕分けなどを行う機械・システムを物流業界に提供。オートメーション化を促進し、大幅な費用や時間の削減を実現しています。現在は、このような物流業界向けの業務を行う「通販支援事業部」と、従来からの書店向けの業務を行う「店舗支援事業部」に分かれて事業を展開しています。

 

 

D-Labo 内の様子。自社で開発から販売まで手掛けるからこそ、アフターサービスまで顧客ニーズに高いレベルで応えることが可能

D-Labo 内の様子。自社で開発から販売まで手掛けるからこそ、アフターサービスまで顧客ニーズに高いレベルで応えることが可能

 

100年企業にするためにやるべきことを考え、実行したい

 

大嶺 大石智也社長は、2019年1月に代表取締役就任を果たされました。会社を承継するに当たっての思いをお聞かせください。

 

大石(智) 「社長になってくれ」と言われた時、「ついにこの時が来た」と思いました。同時に、「この役目は、創業者を父に持つ私にしかできない」と冷静に受け止めることができました。当社に在籍している姉と二人三脚で経営に当たるつもりです。また、同世代の社員たちが実績を積み、幹部になっているので心強いです。彼らの協力も得ていこうと思っています。

 

大嶺 会長は事業の成長に伴ってより良い人材を集め、事業と人材を掛け合わせてきました。今後はどうしていきたいとお考えですか。

 

大石(智) まず、この会社を100年企業にするためにやるべきことを考えたいですね。その中で、次世代を担う社員が新しい事業を立ち上げ、新たな収益を上げていく環境を整えたい。

 

人材については、お客さまを喜ばせるアイデアが詰まった当社らしいモノづくりに、意欲的に取り組める新卒者を求めていくつもりです。

 

大嶺 社長は数字に強く、製造が分かり、営業にも意欲的であり、ダイワハイテックスらしさを兼ね備えておられます。次代に向けて、どのような人材を育成したいと思われますか。

 

大石(智) 当社の特長は、すごくポジティブで貪欲な人材が多いことだと思います。そして意欲的に成長しようとする人材には、会社が費用を負担して学校に通わせたり、新しい技術を学んでもらったりしてきました。私もその方針をしっかり引き継ぎたいですね。

 

大嶺 今後も大切にしたい“ダイワイズム”はありますか。

 

大石(智) 「メーカーにこだわる・自分で作ったモノを自分で売る・下請けはしない」に加え、どうやったらお客さまに喜ばれるかを常に考えることです。

 

現在、私はダイワハイテックスのどこが評価されているのかを再確認して、お客さまとの接点を広げることに取り組んでいます。その中で、「ダイワハイテックスの商品やサービスがないと商売ができない」というお客さまの声を聞くと、絶対に100年間は事業を続けなければならないと思います。そのためにも、社員が活躍できるような企業風土を会長からしっかり受け継いでいきます。

 

大嶺 会長が社長に期待することをお聞かせください。

 

大石(孝) 新規事業や新製品は非常に大切ですが、考え抜いて「やるぞ!」と挑んでもうまくいかないもの。自社がやっている事業に隣接する分野・部門で面白いことはないか、いま持っている技術を使って何かできないか……。そのような現在の延長線上で発想しないと、競争力が高く利益を生む事業や製品は生まれないことを肝に銘じてほしいですね。

 

会社としては、朝起きたときに「よし、行くぞ」と全社員が思う存在になってほしい。全社員が誇りを持てる会社、自信を持って仕事ができる会社になったらいいですね。

 

大嶺 現在、創業50周年(2028年)へ向けた中長期経営計画を作成中ですが、100年先も一番に選ばれるファーストコールカンパニーへ成長されることを祈念いたします。本日はありがとうございました。

 

 

PROFILE

  • ㈱ダイワハイテックス
  • 所在地:東京都板橋区坂下1-34-27
  • 設立:1978年
  • 代表者:代表取締役 大石 智也
  • 売上高:18億5000万円(2019年1月期)
  • 従業員数:63名(2019年2月現在)