収益モデルを見直し、高収益を実現しよう
少子高齢化による人手不足が本格化する中、収益構造を見直し、高収益を実現するためには、経営の目標数値に「1人当たり」の物差しを掲げることが重要となります。
「“人”が主役となる新たなスタンダード」の時代だからこそ、「1人当たり年間経常利益300万円以上、売上高経常利益率10%以上」を経営の目標数値として掲げ、急激な外部環境の変化に挑んでいくことが求められます。
特に、売上高経常利益率10%という数値は、業種・業態を超えた経営の目標値として捉えてください。外部環境の変化や人件費の上昇圧力の加速など、企業に収益モデルの再設計を迫るリスクが常につきまとう中、自ら稼いだキャッシュで継続的な投資をしていくためにも、売上高経常利益率10%以上が必要となります。そこで、目標値からの逆算思考によって収益モデルを構築していく視点が求められます。
「1人当たり年間経常利益300万円以上、売上高経常利益率10%以上」は、過去の延長線上で改善していく発想だと、その実現可能性はかなり低いでしょう。目標数値から逆算発想で考え、成長への投資、創造開発への投資、働きがいへの投資も織り交ぜて収益構造を再構築していく必要があります。
「売上高経常利益率10%」実現の条件
「売上高経常利益率10%」を実現するためには、次の5つの条件に沿ってビジネスモデルのデザインを根本から見直すことが重要です。
また、生産性を高めるためには、①全社業績情報(最終利益目標)のオープン化、②利益還元のルール化(目標利益額と決算賞与の支給基準の設定)、③支給基準を期初の経営方針書の中で明文化、の3項目を組織に浸透させなければなりません。
今回は、後継経営者が押さえるべき経営指標についてまとめました。次回は、後継経営者が次代を創るためのビジネスモデルデザインについて解説していきます。
※本文・図はタナベコンサルティング主催「後継経営者スクール」のテキストを抜粋して制作しています