その他 2022.10.28

Vol.19 後継経営者に欠かせないマインドセット

 

後継経営者が知っておきたい7つの経営技術

 

vol.19~22では、後継経営者が身に付けておきたいスキルや知識について解説します。今回は、後継経営者が身に付けるべきマインドセットや経営技術について見ていきます。

 

後継経営者は、一人の社長として「志」「使命(ミッション)」と向き合う必要があります。次の「承継の7つの経営技術」をチェックしてみましょう。

 

1.会社をつぶさない

 

最も大事な判断基準は「会社をつぶさない」こと。そのためには、会社を変革し、成長の壁を乗り越えていく必要があります。特に、ピンチと思われる「赤字」「不況」「承継」は変革のチャンス。「何を変え、どう磨くか」を見極めましょう。

 

2.創業は新築、承継はリフォーム

 

住宅で例えると、承継は新築ではなくリフォーム(改修)やリノベーション(改装)です。後継経営者はまず、「家屋の構造」を分析し、正しく現状認識してください。財務諸表や組織図といった「図面」を見ながら、切っても良い柱といけない柱を見極めます。

 

3.アトツギベンチャースピリッツ

 

ゼロからの創業に比べ、「アトツギ企業」は、バトンを受けた時点ですでに歴史、信用、顧客、人材があり、スタート地点をプラスから始めることができます。会社を継いで新たなビジネスにチャレンジした方が、成功するベンチャー(スタートアップ)企業になれる確率は高まります。

 

ただし、新しいビジネスモデル、市場や事業を創造する「スタートアップスピリッツ」は必須。経営理念(創業の精神)を掘り下げ、それ以外は「全て変える」くらいの気持ちで変革していく技術が大切です。

 

4.経営能力を高める

 

経営能力とは、「事業センス」と「経営センス」の2つを指します。事業センスは「世の中(消費者)に受け入れられる製品やサービスを発見する能力」、経営センスは「経営におけるバランス感覚」です。この2つの能力を高めていくことが、後継経営者には求められます。

 

5.後継経営者としての適切な行動を身に付ける

 

経営者には、経営への興味、健康と体力、素直さ、真面目さ、清潔さ、若さが求められます。

 

6.リーダーシップと克己心

 

後継経営者は調整型リーダーシップ、つまり「社員から多くの意見を募り、意見を調整しつつ、長期的な視野のもとで大きな方向性を打ち出すリーダーシップ」をとりやすい傾向があります。また、後継経営者には「業績」「組織変革」へのリーダーシップが重要です。

 

7.変化と成長に向けた新たな取り組みに挑む

 

後継経営者には、自社にしかないもの、自社だけができることは何かを追求していくことが求められます。

 

そのために、まず自社をどのような方向へ変えていくべきか。すなわち、「自分自身のリーダーシップ、会社の事業や組織を通じて、世の中や社会的課題の何を解決するために自社は存在し、どのようなイノベーションを起こすべきなのか」という、「社長の使命(ミッション)」を問うことが重要です。