競争力を強化する4つの視点
コモディティー化する現在の競争環境においては、常に顧客価値という競争力を磨いていかねばなりません。あらゆる業界が寡占化する状況にあって、ライバル他社から競争力で後れを取ることは、市場からの退場を迫られることに直結します。
競争力強化の視点は、①ミッション②製品・サービス③システム④ブランディング、の4つです。
1つ目は、「ミッション」そのものが競争力につながる場合。ミッションそのものが、誰も考えていない・誰も実現できていないこと、希少なものであるということです。自社のミッションと同じものを持つ企業が多ければ多いほど、競争は激しくなります。
2つ目は、「製品・サービス」を競争力とする場合です。常にライバルと比較して、製品・サービスを磨き競争優位に立つ視点です。ただし、この競争力で優位に立っても、瞬く間にライバルに模倣されます。コモディティー化の時代には、製品・サービスで中長期的に優位に立つことは難しいと言えるでしょう。
3つ目は、「システム」が競争力の場合です。圧倒的なスピードの開発力、創造を生む組織カルチャー、販売力を上げる販売時点管理システム(POS)、熟練工でしかできない匠の技術などの競争力のことをいいます。長期間かけて磨いてきたシステムは簡単にはまねができないため、最も優位性のある競争力です。
4つ目は、「ブランディング」により、ブランドを育て、顧客の創造力を向上させる取り組みです。
ブランド戦略の対象として、企業ブランド、製品ブランド、サービスブランド、テクノロジーブランド、ブランド人材、ビジネスモデルブランドの6つの領域があります。
SNSなどでつながり、拡散する時代は、ブランド価値を高め、いかに熱狂的なファンをつくるかが顧客創造の鍵になります。大企業やBtoC企業だけではなく、中堅・中小企業やBtoB企業も積極的にブランディング活動に取り組むことが大切です。
※本文・図はタナベコンサルティング主催「プロ役員セミナー」のテキストを抜粋して制作しています。
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