その他 2022.04.01

Vol.14 リーダーの時間管理術

正しい現状認識ができる環境をつくる

 

リーダーが「的確な判断を下す」ためには、「正しい現状認識」が外せない要件になります。そのためには常に正しい現状認識ができる環境・仕組みづくりをしておく必要があります。

 

具体的には、自らをチーム全体が俯瞰できる位置に立たせ、メンバーの行動を観察し、日々報告が上がってくる仕組みを作っておくことです。

 

自らプレーヤーとしての役割を持っていると、チームの全体像が見えなくなり、優先順位の判断力が鈍るため、問題発生時にタイムリーな手を打てないことがあります。そのため、リーダーは極力現場から外れ、ルーチンワークや顧客担当などの現場業務は部下に任せる役割分担が必要になります。つまり、リーダーはチームマネジメント上の判断業務に徹し、リーダーにしかできない仕事に専念することが理想的と言えます。

 

しかしながら、リーダーは優れたプレーヤーであることも多く、プレーヤーとしての職制を外せないことも多いでしょう。この場合、ナンバーツーをいかに育成するかが重要な課題となります。

 

正しい価値判断基準と現状認識力が備わったら、あとは判断をするだけです。自信を持って即断即決で対応することが部下との信頼関係を強固なものにします。部下がボールを投げてきたら、すぐ投げ返す。この基本動作を徹底しましょう。それがリーダーとしての判断力に磨きをかけることになります。

 

判断力は、その人の経験によるところが大きいものです。またいくら経験を積んでもそれが自ら買って出た経験でなければ見識とはなりません。リーダーとしてはただ部下の業務を管理するだけではなく、自らもまた新たな経験を積むべく新しい領域にチャレンジし、成長していかなくてはなりません。

 

 

「共通目的×機能分化×自発行動」で成果が決まる

 

企業の収益力は現場力の結集と言っても過言ではありません。現場とは、第一線で作業をする社員を束ねた最小単位の組織を言い、メンバーをマネジメントするリーダーが現場リーダーです。

 

現場はチームと言うこともできます。良いチームとは、共通目的・機能分化・自発行動の3要素が揃ったチームです。(詳細はvol.11参照)

 

共通目的とは、目指すべき姿であり、目標です。これがなければチームはまとまりません。機能分化とは、個々の個性や強みを生かしたチーム編成になっていなければならないということ。個の強みが相互啓発し、互いを尊重し合い、モレなくムダのない理路整然とした業務設計をしていくことが重要です。また、共通目的と役割分担が明確でも、チームメンバーの自発的な行動が伴わなければ成果は上がりません。

 

この3要素はリーダーにとって必要条件です。優れたリーダーシップなくして業務改善はあり得ません。学びを即実践に落とし込み、強い意志力で確実に現場の成果につなげる。その取り組みが、あなたのリーダーシップを伸ばしていく最大のチャンスとなります。

 

 

※本文・図はタナベ経営主催「業務改善スクール」のテキストを抜粋して制作しています。