Vol.13 利益を最大化する「プロフィットマネジメント」
業務改善の進め方として、まず、実態確認を行います。その際、数字を用いた分析を行い、問題点についての実地調査を実施します。現地・現場・現品主義で実態を把握するように努めることが大切です。
次に、実現可能性を判断します。効果が高く、難易度が低いものは、すぐに効果があるので即実施します。逆に、効果が低く、難易度も高いものは、当面は実施しないで良いと言えるでしょう。
限界利益とは「現場の生み出す付加価値」であり、付加価値を何人で稼ぐかが、生産性を見る基本となります。最終的には、1人当たりの付加価値を増加させることを目標とすべきです。
次に、限界利益を中心とした生産性指標「限界利益率」「労働分配率」「1人当たり生産性」について解説します。
限界利益率とは売上に占める限界利益の割合を指します。
限界利益率は、自社が提供する商品やサービスの付加価値力を示すものであり、製造業であれば製品力、小売・卸売業であれば商品力、サービス業であればサービス力を表現しています。自社の付加価値の本質、本来あるべき限界利益の水準を知り、ベンチマークしていくことが重要です。
労働分配率は、企業や現場が稼いだ限界利益に占める労務費の割合です。
数値は低い方がより利益体質と言えますが、低過ぎると社員のモチベーション低下にもつながるため、適度なバランスを考えることが重要です。経営の原理・原則に従えば、付加価値を3等分し、1/3を社員に分配、1/3を必要経費として使い、残った1/3を利益として将来の投資に回すのが黄金律です(「利益の3分法」)。
業種・業態やビジネスモデルによって適正値はさまざまですが、製造業を基準に考えれば40%までが適正、労働集約型モデルの場合は50%程度までは許容範囲と考えるべきです。
1人当たり生産性は、従業員1人当たりが稼ぐ限界利益です。
1人当たり生産性は、労務費の原資となるものです。人を増やさず、現人員でいかに付加価値を上げていくのかは、企業、および現場における永遠のテーマと言えます。