その他 2021.10.05

Vol.10 人を育てる「タナベ式メソッド」

 

 

コーチングで組織が変わる

 

コーチングとは、部下のやる気や能力を最大限に引き出し、目標や目的の達成をサポートするためのコミュニケーションスキルです。コーチングにより、部下の「自発的行動」を促すことができます。

 

また、幹部やリーダーがコーチングを通じて社内のコミュニケーションを活発にすることで、「学習する組織」(一人ひとりが考える風土)が実現します。

 

コーチングの場合、“答えはすべて部下の中にある”というスタンスで、目標設定の段階から部下自身に考えさせ、決めてもらいます。部下の話を聴く・質問する・承認する、を繰り返し、より高い目標を部下から引き出し、目標達成のための具体的方法(行動計画)へ導きます。これにより、部下は目標に対し、納得した上で、具体的方法をイメージしながら動くことができます。

 

ただし、状況や相手に応じて、コーチングとティーチングを使い分ける必要があります。というのも、コーチングには上司・部下の繰り返しのやり取りが伴うため、時間的余裕が必要です。

 

また、部下のモチベーションやキャリアによっても使いわけが求められます。部下のキャリアが浅い、またはモチベーションが低い場合には、“教えるべきこと”をしっかり教えるティーチングが必要です。

 

有効なコーチングの成立要件として、①上司と部下の信頼関係、②上司のコーチングスキル、③部下が自律(自覚)していること、の3つがあります。

 

特に②のコーチングスキルについては、上司の傾聴、質問、承認スキルが求められます。コーチングスキルの中で最も重要なのが、傾聴スキルです。

 

部下が話しやすい環境を整え、部下がどんな状況・気持ちでいるのか、本気で耳を傾けることが重要です。

 

傾聴の際は、話しやすい環境を整える、話を聴く態度を示す、部下の話を最後まで聴く、批判をしない、相槌を打つ、等がポイントになります。

 

部下が行動を起こすために必要な要素として、「認められている」「受け入れられている」という安心感をもたらすことが必要です。部下の仕事ぶりをよく観察して、弱み・欠点よりも強みや長所をより多く見つけ出し認めること。また、わずかな進歩や成長でも認めたり、褒めたりすることで、部下のモチベーションは高まります。