目標・計画とのギャップを埋める対策を立案し、それを実行するのは「人」。「目標を必ず達成する」という強い意思と実行がなければ、先行管理は何の意味も持ちません。
「計画的に業績を上げる」ことは、「自力本願の経営を推進する」こと。企業体質革新は、トップ自らことにあたらなければ成功しません。先を読む能力を高めることは「真のプロ人材の育成」につながります。人材の育成はトップの責務です。トップ自らが、やり遂げる姿勢と執念を持たなければなりません。また、重点事項から集中管理することもポイントです。
業績先行管理は、各部門の連動した運営によってその真価を発揮します。販売・生産・財務など、各部門の有機的連携があってこそ、業績基盤は磐石なものとなります。
業務処理の効率化に向け、その分析が欠かせません。そのために、①クレーム・停滞の発生ポイントを押さえる、②善循環システムづくり、③効率の良いシステムづくり、④一言集約、が必要になります。
①のクレーム・停滞の発生ポイントを押さえるため、仕事の流れの中で仕事が混乱し、停滞する「ネック工程」を押さえることが大事です。
②の善循環システムとは、「信用を累積拡大させるシステム」であり、顧客が顧客を呼ぶ仕組みです。
外部との接点は多数ありますが、どこに触れられても感動される磨かれた仕事のやり方が、善循環を呼ぶ引き金になります。
システムの最低条件として、個々の仕事のやり方を自分で判断し、自分で行動できるフィードバック基準がなければなりません。これが管理基準であり、標準時間・標準動作・目標基準・価値判断基準といわれるものです。
こうした個々の仕事が、善循環に連動し発展するためには、結果に責任をもつやり方(前者責任システム)、相互補完システム、磨き抜かれた日常の動作が必要です。
③について、「効率=産出/投入」であり、より効率のよい仕事の処理が要求されます。ヒト・モノ・カネ・時間・空間の効率が悪く、全体のシステムの効率を阻害しているポイントはどこかを分析しましょう。
以上①~③をチェックして、業績を上げる業務処理システムの決定的問題点を一言集約します。
※本文・図はタナベ経営主催「幹部候補生スクール」のテキストを抜粋して制作しています。