企業の原点とは、「企業の存在価値」です。企業の存在価値とは、社会的役割を果たすこと、すなわち「世の中が求めていること」と「企業の持ち味」の接点です。
自社の得意分野であっても、世の中が求めているものでなければ、存在価値はありません。「もし自社がなくなれば、世の中はどんな点で困るか」。ここに企業の原点があり、それは企業の存在価値とも言えます。
企業の存在価値は、主力商品の中に具体的に存在しています。その主力商品の提供先である「真の顧客」と「顧客ニーズ」の把握が大切になります。さらに、提供の仕方、それを担当する人も重要な要素となり、企業の存在価値が生きるのです。
一方、企業の持ち味とは、どこにもない特徴(長所)です。さらには創業の精神や、地域社会に対する責任といったこだわりによって形成されているものです。
原点づくりとは「企業使命感の再認識」です。原点づくりの作業を通じて、「お客様に何を提供しているのか」を改めて気づくことができます。
原点作りのステップとして、「自社は何をもって地域に存在しているのか」「一体何を売っているのか」「顧客は自社の何を評価しているのか」「企業の存在意義」を明確にし、一言集約します。
その上で原点実践のために、どう考え、行動するかを行動原点・行動基準として整理することが作業の目的です。押さえるべき主なポイントは7点です。
①主力商品の提供価値は何か
②真の顧客は誰か
③日常業務処理のやり方の原点は何か
④人づくりの原点は何か
⑤地域社会に対する責任は何か
⑥創業の精神は何か
⑦その他(自社の品質、技術、サービス、ブランドなど)
7つのポイントを押さえ、それぞれを掘り下げ、考え方を整理し、それぞれを一言集約でまとめていきます。
※本文・図はタナベ経営主催「幹部候補生スクール」のテキストを抜粋して制作しています。