タナベコンサルティングは2024年9月25日、「DXフォーラム」を開催。「デジタル活用から成果へ。推進事例に学ぶ、人材育成と生産性改革」をテーマに、日本オラクル、ミスミグループ本社の取り組みと、タナベコンサルティングによる講演をリアルタイムで配信した。
※登壇者の所属・役職などは開催当時のものです。
日本オラクル株式会社
執行役員 NetSuite事業統括
日本代表 カントリーマネージャー
渋谷 由貴 氏
NetSuite の日本担当役員として、日本におけるビジネスの成長とカスタマー・サクセスの推進をミッションとし、日本における営業戦略とオペレーションの推進を担当。富士通、三井物産でのセールス経験を経て、日本マイクロソフト、日本オラクルでマーケティング、ビジネスディベロップメント、セールスマネジメントを歴任。Domo での VP、AWS でのエンタープライズクラウドセールス統括経験を経て、2023 年 7 月より現職。
中堅・中小企業が抱えるデジタル化の課題
日本オラクルは、米国に本社を置くOracle Corporationの日本法人であり、データベース管理システムやクラウドソリューション、エンタープライズ向けソフトウエアを展開している。外資系企業ではあるものの、日本の株式市場に上場し、日本に根付いたビジネスを展開している。 当社はクラウドやAI分野へ積極的な投資を行っており、日本市場に対しても今後10年間で80億ドル超の投資を計画している。当社の中堅・中小企業向けの主力製品である「NetSuite (ネットスイート)」はクラウドERPのパイオニアとして、現在では世界で4万社以上の企業に採用されている。
NetSuiteが提供する価値
出所:日本オラクル講演資料
当社は、中堅・中小企業が抱えるデジタル化の課題として、①システム、②カルチャーの2つを挙げている。日本の中堅・中小企業はデジタル化について多くの課題を抱えており、海外企業と比較して遅れをとっている印象である。
米国の経営者と話した際、彼らは「人に任せるとミスが多く信頼性に欠けるため、システムで対応できることはシステムに任せる」という考え方を持っていた。一方、日本の企業では“Excel(エクセル)職人”などの人材が手作業で業務をこなし、システム化されていないケースが多くみられる。
日本企業は優秀な人材が多く、その優秀さが逆に効率化を妨げている。システムにできることはシステムに任せて、優秀な人材はその人でなければできない業務に割り当てるべきである。
システム以上に深刻な課題は、カルチャー(文化)にある。日本の企業文化は、物事を「石橋をたたいて渡る」ように慎重に決める風土が根強く、意思決定に時間がかかることが多い。メンバーは、自分に与えられた仕事をこなすことに集中するばかりで、トップ層が判断を下すまで待つ傾向が強い。
デジタル化を進めるためには、トップの強い意思が不可欠だ。あるメーカーでは、システムがバラバラでエクセルによる属人的な作業が常態化しており、購買・販売・生産管理のデータが一元管理されていなかった。エクセル職人が業務を支えることで日常の業務は回っていたものの、この属人化がデジタル化の障壁となっていた。
そこで、タナベコンサルティングのサポートを得てNetSuiteを導入し、システムの統合に踏み切った。変革に着手した結果、属人化を脱却し、データの一元管理を実現したのだ。このように、トップの意思決定とリーダーシップがデジタル化の成功を左右する。