タナベ経営:事業を生み出し、経営者を育む、プラットフォーム型ホールディングス
九州本部 副本部長
中須 悟
2004年タナベ経営入社。2017年より現職、ホールディング経営研究会リーダー。「経営者をリードする」ことをモットーに、企業の財務収益構造や組織体制、資本構成を大局的かつ戦略的に改革するコンサルティングを得意としている。また上場・中堅企業における事業承継、ホールディング経営推進のスペシャリストとして、建設業、物流業、不動産業、製造業、小売・サービス業など幅広い業種での実績があり、全国で活躍中。著書に『ホールディング経営はなぜ事業承継の最強メソッドなのか』(ダイヤモンド社)、『オーナー経営者のためのホールディング経営』(タナベ経営)がある。CFP®(認定ファイナンシャルプランナー)認定者。
・ホールディング経営モデルの全体像として、成熟経済化でも持続的に成長する「事業ポートフォリオ戦略」、企業成長と円滑な資本承継を両立させる「グループ資本承継戦略」、経営者人材を継続して輩出する「権限移譲システム」、グループ資金の調達・運用を最適化する「ストック・フローの分離モデル」の4つの側面がある(マルチ・パーパスを同時並行で達成する)
・ホールディングス化はあくまで手段であり、その先に何を目指すのかを明確にすべき。ホールディングス化のビジョンは多様化してきている。
・グループ規模が拡大するにつれ、本社機能を強化する必要性が生じる。各事業の強い推進力によりグループが成長・進化する。本社は各事業を強い求心力で束ねる。セグメンテーションの拡大、バリューチェーンの最大化という二軸の遠心力で拡大。⇒推進力を得ることで、求心力と遠心力がバランスする
・人事制度もグループ目線に進化させる必要がある。標準キャリアとしては、原則として各社が直接雇用して各事業領域で専門性とリーダーシップを磨く。ステップアップを目指す人材にはいつでもグループキャリアにチャレンジできる制度を備えておく。
・グループキャリアとしては、グループ総合職として、①将来の事業会社経営者またはホールディング会社の幹部としてグループ全体で活躍する人材、②全事業会社への機動的な異動・全国への転勤が可能な人材を育成。ホールディング会社で雇用し、賃金はグループで一番高い水準に設定する。グループ経営職としては、事業会社の経営者・経営幹部またはホールディング会社の経営幹部として活躍する人材を育成。
→経営者人材を育む。“誰もが乗れる”速いエスカレーターをつくるイメージ
・ホールディング経営には政府も注目。ホールディングス化を通じて新しい価値を生み出し、スケールアップさせる事例も多数。企業主導の業界再編で競争力を再構築する時代となっている。
タナベ経営:企業価値向上とサステナビリティを実現するポイント
コーポレートファイナンス大阪本部 本部長代理
浜岡 裕明
2006年タナベ経営入社。2019年より現職。経営者の志を受け止めるコンサルティングスタイルで、ホールディング設立支援・グループ経営システム構築・事業承継計画策定・企業再生など、機能別・症状別の課題解決コンサルティングに定評がある。また、組織経営体制構築に向けた制度設計、後継者・経営幹部育成も数多く手掛け、実績を残している。
1.企業価値向上の概念
・企業価値には経済的価値と社会的価値があり、両方を高めることが必要。
・企業価値を高める上で、株主価値、顧客価値、従業員価値、社会的価値、パートナー価値をいかに最大化するか、価値毀損要因(コンプライアンス違反など)をいかに排除するかを経営課題として検討することが大切。
・企業価値向上には、経営システムの各機能強化が必須。
・ミッション、ビジョン、バリューという理念体系を軸に、ガバナンス機能、マネジメント機能、経営企画機能、コーポレート機能をしっかりと強化することが、経営テーマへの組織での対応につながる。
・グループ経営システムを構築するに当たり、「経営システム段階別チェック項目」なども活用すべき。タナベ経営ではホールディング経営コンサルティング、グループ経営システム構築コンサルティング、ホールディングス・グループ経営モデル研究会を展開しているので、適宜活用していただきたい。