その他 2022.09.30

vol.5 顧客創造力を向上させるブランディング&マーケティング

 

BtoCにおけるマーケティングモデル

 

顧客はあふれる情報の中から、必要なものや関心があるものを探し出し、スマートフォンの操作1つで欲しいものや比較情報を手に入れます。そうした中、いかに顧客が求める価値を捉え、競合との違いを認識させるストーリーを組み立て、共感を広げていく仕組みをデザインできるかが、BtoCにおけるマーケティングモデルのポイントとなります。

 

特に、ECサイトや店舗・商品紹介のブランドサイトなどのウェブサイトは、デジタル活用の1つとして重視するべきでしょう。なぜなら、顧客はまずウェブサイトを検索し、商品・サービスの情報を確認してから購買するためです。ウェブサイトを重視して対応することが、売り上げと直結する意味でインパクトが高いと言えます。

 

ウェブサイトでは商品・店舗などの良さを伝えること、商品・店舗などの存在を知らせることが重要です。操作が簡単であることや、情報が一目で分かるなど、顧客が使いやすいサイトを構築し、ウェブ・デジタル広告やコンテンツマーケティング(顧客が要望しているコンテンツを継続的に発信してサイト上に積み上げることで、検索エンジンから集客を狙う手法)を用いてウェブサイトへの導線を設計しましょう。

 

これらの業務を行うには、社内におけるウェブ・デジタル体制の構築も必要になってきます。ウェブ・デジタルを統括できるCDO(最高デジタル責任者)を配置し、企画・営業・ウェブマーケティング・制作・システムとプロジェクトごとにチームを結成することで、ウェブサイトの取り組みが一貫した対応になるように心掛けましょう。

 

 

ブランディング&マーケティング体制

 

ブランドとは、顧客にとっての価値を定義し、約束し、長期的な信頼関係を構築するための全社活動です。長期的にブランド価値を維持・向上させるためには、正しくブランドを管理する必要があります。

 

ブランド価値を継続的かつ最大化に向けて管理していくためには、大きく2つのプロセスが必要です。1つ目は、ブランド体系の整備と統一という「ブランディングキュレーション」。2つ目は、その体系を維持・管理する仕組みづくりである「ブランドマネジメント」です。

 

①ブランディングキュレーション

 

ブランディングキュレーションにおける最大のポイントは、ブランド体系の再整備です。特に複数の製品・サービスを展開する企業では、バラバラのブランディングが行われないよう統一した体系を整備することが重要になります。

 

②ブランドマネジメント

 

ブランドマネジメントのポイントは3点あります。

 

 

 

 

ブランドマネジメントで最も大きな鍵を握るのが「ブランドマネジャー」ですが、専属の担当者を置けないため、他の業務との兼務者をブランドマネジャーに据える企業は珍しくありません。しかし、ブランディング戦略で失敗している企業を見ると、ブランドマネジャーが兼務者であるケースが散見されます。部門におけるマネジメントを機能させ、統一性のあるモノにするため、ブランドのマネジメントは掛け持ちでないことが望ましいでしょう。

 

 

 

 

デジタル化によるマーケティング体制構築のポイントは2点挙げられます。1点目は「リアルとデジタルの分業化」です。リアルとデジタルの分業化として、リアルでのマーケティング活動の価値を定義し、リアルである必要がない活動をデジタル化しましょう。

 

2点目は「フィールドセールスとインサイドセールスの分業化」です。ウィズコロナにおける自社のフィールドセールスの価値を再定義し、フィールドセールス(従来型の顧客へ訪問しセールス活動をする組織)とインサイドセールス(オフィス内でセールス活動をする組織)を分業化しましょう。

 

アップデートしたブランディング戦略やマーケティング戦略を推進していくためには、PDCAサイクルを回していく必要があります。コロナ禍により社会価値の変容が短期間で起きている環境下においては、アップデートする頻度を上げなければ、ブランディングやマーケティングも通用しないものとなってしまうことに留意しましょう。

 

今回は、ウィズコロナ時代のブランディング&マーケティングについて解説してきました。Vol.6では、サプライチェーンについて見ていきます。

 

 

※本コラムはタナベ経営主催「2021年度経営戦略セミナー」テキストを抜粋・編集したものです。

 

 

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