コラム
2017.06.30
特集1:ファミリーマーケット
2017年7月号
子どもの数は1571万人、36年連続の減少
総務省統計局の調べによると、2017年4月1日現在の日本の子どもの数(15歳未満人口)は1571万人(前年比17万人減)。1982(昭和57)年から36年連続で減少し、過去最低を更新した(【図表1】)。総人口に占める子どもの割合も12.4%(同0.1 ポイント低下)と過去最低で、1975年以降43年連続で低下した。総務省によると、日本の子どもの割合は諸外国(人口4000万人以上の国)の中で最も低いという。
子どもの割合は、1950(昭和25)年には総人口の3分の1(35.4%)を超えていたが、第1次ベビーブーム期(1947~ 49年)の後は減少を続け、1965(昭和40)年に総人口の約4分の1(25.6%)となった。
第2次ベビーブーム期(1971~74 年)に出生児数が増加して上昇に転じたが、1975(昭和50)年以降は再び減少局面となり、1997(平成9)年には15.3%と65歳以上人口の割合(15.7%)を下回った。
一方、子ども人口の減少に伴い、家計における子ども関連支出※も減っている。総務省の「家計調査」から1世帯当たり(2人以上世帯)の年間支出額を見ると、1990年の20万5949円から2016年には14万4667円と約3割(6万1282円)減少し、消費支出全体に占める割合は5.5%から4.3%に低下している。(【図表2】)
2016年の消費支出を品目別に見ると、最も減少規模が大きいのは「授業料」(国公私立の大学・専修学校を除く。1990年比2万2239円減)だが、これは2010年に始まった「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」で家計負担が減ったためだ。このほか学習塾や予備校などの「補習教育」(同9732円減)、「子ども用洋服」(同7182円減)なども大きく減った。
ただ、増えている品目もある。「保育費用」やランドセルなどの「通学用かばん」、授業料のうちの「私立小学校授業料」などだ。保育費用は1990年比で52%増、通学用かばんは同82.7%増、私立小学校授業料は2.3倍にそれぞれ増えている。共働き世帯の増加や祖父母による孫消費などの影響で、幼児・小児向けの支出は活発であることがうかがえる。
※ 子ども関連支出:粉ミルク、学校給食、子供用和服、男子用学校制服、女子用学校制服、子供用洋服、子供用シャツ・セーター類、子供用下着類、子供用靴下、子供靴、紙おむつ、鉄道通学定期代、バス通学定期代、授業料等(国公私立大学、専修学校を除く)、教科書・学習参考教材、補習教育、書斎・学習用机・椅子、文房具、玩具、通学用かばん、保育費用の合計額
2017年7月号
変わる親子のコミュニケーションのカタチ
ファミリーマーケットをビジネス上のターゲットに見据えるとき、イマドキ親子の関係を正しく捉えることが欠かせない。
例えば親子の連絡頻度。三井ガーデンホテルズの調べ(20~49歳の男女600人が回答)によると、「頻繁(週に1回以上)にとりあっている」が47.3%と半数近くに上り、意外にコミュニケーションをとっている(【図表1】)。連絡手段(複数回答)については7割以上が「電話」で、「メールやLINE」も6割以上存在する(【図表2】)。
スマートフォンやSNSの普及により、時間を気にせず気軽に連絡を取り合えるようになったことが大きな要因。加えて、フラットな関係で仲の良い“友達”のような親子が増えていることも一因だろう。
実際、「旅行をする際、一緒に行きたい相手」は、20~49歳女性の約半数が「母」と回答。友人や夫、恋人よりも高く、母親は誰よりも気を使わず、気兼ねなく話せる存在であることが分かる。
また、ジブラルタ生命保険の調査(子どものいる30~49歳の既婚男女2000人が調査対象)によると、最近1年以内に行った親との交流は「直接会って話を聞く・相談に乗る」「実家で正月やお盆を過ごす」「一緒に食事やお酒を楽しむ」が多数を占めた。今後行いたい交流内容は「一緒に旅行に行く」(20.9%)、「長寿のお祝いをする」(12.4%)、「一緒に遊びに行く」(12.0%)、「用がなくても電話して話す」(10.7%)が多く(【図表3】)、特に30代女性は、普段から親とメッセージのやりとりをしたり、旅行や趣味を共にしたいと考える傾向が強い。
ただ、親孝行の時間はなかなかとれないようだ。前述の三井ガーデンホテルズの調査では、7割超が「親孝行をしたいとは思っているが、なかなかできていない」と回答。背景の1つには、働く女性の増加が挙げられるだろう。厚生労働省の「働く女性の実情(2015年版)」によると、25~44歳の女性の就業率は、1985年(56.5%)から2015年(71.6%)まで増え続けている。
2005年から2015年の10年間では、「30~34歳」と「35~39歳」の女性労働力率の上昇幅が大きく、それぞれ8.5ポイント、8.8ポイント増。特に結婚している「有配偶者」の労働力率の上昇が目立ち、今後も女性の就業は増え続けるとみられる。
たわいのないことでも連絡し、親孝行の意欲も高いものの、仕事と家事、育児で忙しくて思うように時間がとれない――。現代の親子の歯がゆい現実を知り、彼らのニーズに寄り添うサービスが求められる。