特集1:顧客ダイレクト
2016年5月号
消費者の約3割がネット通販で農林水産物を購入
日本政策金融公庫が2016年1月、全国の男女2000人に行ったインターネット調査で、農林水産物などをネット通販で購入した消費者が約3割に上ることが分かった。
具体的には、ネット通販で農林水産物や加工品を「購入したことがある」と回答した人は31.8%を占めた(【図表3】)。年代別では、20代、30代が約2割だったのに対し、40代以上は3割以上となり、若い世代の購入経験者が比較的少なかった。
購入経験者にネット通販で購入する理由を尋ねたところ(複数回答、以下同)、男性は「価格が安いから」(44.2%)が最多。一方、女性は「店頭まで買いに行く必要がなく楽だから」(48.3%)が最多だったほか、「そこでしか購入できないものがあるから」(41.5%)も高い割合を示した。
また、購入経験者に主な購入元を聞いたところ、「インターネットのショッピングモール」(71.0%)が最も多い。次いで「生産者や食品メーカーなどのインターネット直販」(46.9%)が続き、「ネットスーパーなど量販店のインターネット通販」(26.0%)を上回った。「海外のインターネット通販」は1%に満たなかった。(【図表4】)
購入したことがある品目については、「コメ」(44.6%)が最も多く、次いで「魚介類」(38.6%)、「果物」(36.5%)、「お茶」(26.3%)などが上位を占めた。
一方、ネット通販事業者に期待することを聞いたところ(単一回答)、「生産者や商品の情報をもっと提供してほしい」(34.7%)が最多となった。次いで「配送料を安くしてほしい」(23.6%)、「商品の価格をより安くしてほしい」(17.5%)などが続く。
これを男女別にみると、男性は「価格をより安く」(20.1%)の回答が女性(14.9%)を上回った一方、女性は「配送料を安く」(27.0%)の回答が男性(20.2%)よりも高かった。女性は商品価格の安さより、商品をいかに経済的に買えるかどうかを重視する傾向がみられた。