タナベコンサルティングの第3回ナンバーワンブランド研究会では、独自のブランディングの先進事例を学ぶため、株式会社新和建設と、ゼネラルパッカー株式会社へ訪問し、ご講演いただいた。
両社はBtoB、BtoCと顧客こそ違うものの、独自のブランド価値を設計している。自社のベース価値に加えて、強みを長期的経験価値(=「特化した専門性」)と捉え、磨き上げることで唯一無二のブランドを構築している企業である。社屋や工場の視察、社員の方々の説明、そして社長の講演を通じて両社が確立しているブランディングについて参加者の皆様と共に考える機会となった。
開催日時:2025年2月5日(愛知開催)
包装システムのトータルプランナー
包装システムのトータルプランナーとして、1961年より自動包装機メーカーとして創業。以降、高い技術力と独創性により顧客の要望に応える高品質・高性能の機器を開発し、さまざまな商品の流通を支えている。特に、袋に充填することが難しい粉末や粒子を高速かつ安定した包装能力に加え、酸化防止の不活性ガスを同時に充填する技術は業界内でも高い評価を得ており、国内トップクラスのシェアを誇る。
2005年ヨーロッパのメーカーへの納品を皮切りに、現在では世界24カ国での販売実績がある。2016年には中国江蘇省常熟市に子会社を設立し、2021年にはアメリカに進出するなど、海外市場の獲得を目指し海外戦略を強化。
設計から開発、販売から設置・納品までを一貫して行うことで、短納期、低価格を実現し、信頼感を基に持続的成長を続けている。
ロータリー式包装技術をベースに、設計から販売、設置ができる「多機能人材」
ゼネラルパッカーは、ロータリー式包装技術を基盤に、自動包装機の設計・製造・販売・設置まで一貫対応できる体制を構築しており、独創的で価値ある商品・サービスを生み出していくために人材の育成に力を入れている。
OJT、OFF-JT、自己啓発支援を軸とし、やる気や能力に応じて会社が支援することで、挑戦する風土を醸成し、オリジナリティあふれる機会を製造してきた。設計から製造、海外営業部が同じ建物で連携や交流を図りながら製品づくりを行うことで、単なる機械製造ではなく、高付加価値な包装ソリューションを提供しており、「多機能人材」の育成と連携によって包装業界の発展に貢献している。
マーケットインで新しい包装物流を創造
ゼネラルパッカーでは経営理念に「独創的な技術を活かし、顧客の要請に応える高品質な『商品』を提供する」を掲げており、顧客の課題やニーズをくみ取った製品開発を提供価値としている。
付加価値の高い包装機、すなわち他社が製造していない包装機を作り出すことをポリシーとし、標準機をベースに要望に合わせてさまざまな技術を取り入れることで競合優位性を持った製品を生み出してきた。「超高速包装で1分に160袋包装する機械」「充填重量の誤差がほとんど無い高精度な包装機械」「重量20kgの大容量を包装できる大型機」など、独自の包装機や一貫した包装システムを通じて、高品質な物流ソリューションを提供している。
ゼネラルパッカーのサービス領域
失敗を繰り返しながら、顧客の「こうしたい」に真剣に向き合う風土
海外進出のきっかけとなったヨーロッパの企業との製品開発。当初は言葉もまともに通じない中、時には100件以上のダメ出しを受けることもあったが、1つずつ改善を図り、製品化につなげた。文化や求められる機能・水準が全く違う中、失敗を重ねながらも真剣にそして正直に向き合うことで顧客からの信頼を獲得し、現在まで続く継続的な受注につながっている。
また、困難な課題に挑戦することで新たな技術の獲得にもつながり、世界初の機器を幾度と生み出してきことが強みとなっている。包装業界を取り巻く環境も大きく変化し、地球環境問題への対応、グローバル化するマーケットへの対応などが求められている中、 「世界に通用する包装機メーカー」を目指して顧客の要望に敏速かつ柔軟に対応することが顧客への提供価値、顧客の経験につながっている。
グローバルネットワーク
現在では海外に2つの子会社と6社の販売代理店があり、海外展開を加速させている
※写真・図表はゼネラルパッカー㈱コーポレートサイトより引用
