メインビジュアルの画像
研究リポート
デザイン経営モデル研究会
経営に『デザインの力』を活用して、魅力ある自社らしいブランドづくりを実践している素敵なデザイン経営モデル実践企業の取り組みの本質を視察先講演と体験で学びます。
研究リポート 2025.02.13

働き方が変化する今「創造性を加速する」 コクヨ品川ライブオフィス

【第2回の趣旨】
デザイン経営モデル研究会では、デザインの力を「体験価値」と「自社らしさ」を創る資源の1つとして捉え、他社との差別化や高収益を実現するためのヒントを探ることを目的とする。
第2回の1日目は、コクヨの品川ライブオフィスを視察し、実際にコクヨの社員が働く場を視察。創造性を加速させるための「経験の拡張」を実現する最先端のオフィスづくりと、さらなる進化を求める実験現場としての機能を体験した。

開催日時:2024年10月31日~11月1日(東京開催)


業務や気分に応じて働く場所と時間をワーカー自ら選択できるワークスタイル「ABW」を実践するコクヨ品川ライブオフィス
出所:コクヨホームページより

 

はじめに

 

時代の動きを捉えながら、ビジネスのあらゆる課題を解決する。そんなオフィス空間を提案するのが、コクヨ品川ライブオフィスだ。同施設は経営や仕事の仕方にまつわるあらゆる問題を想定し、その答えを導きだすための働き方やオフィス空間の在り方、オフィスの使い方を提案する。

 

コクヨ品川ライブオフィスでは、コクヨの社員が実際に働く現場を見ながら、最先端のオフィス・働き方、それらを支えるツールや仕掛けなどを、スタッフの案内を通じて見学することができる。

 


集中したいときに適した環境で執務できるフロア。家具をモノトーンにまとめることにより、集中や没頭を促す(出所:コクヨホームページより)

 


 

実際にワーカーが働く現場で、オフィスにある可能性を実感。

 

コクヨ品川ライブオフィスの最大の特長は実際にコクヨの社員が働いている現場を見学できることだ。スケール感あるオフィスから、ちょっとしたアイデアが施されているオフィスまで、フロアによって個性はさまざまである。

 

各フロアに共通しているのは、次の2点。一点目はそこに最先端のワークスタイルがあるということ。2点目は、ライブオフィスで実際に働きながら出てきたさらなる課題と真摯に向き合い、深く考え改善していること。常に新しいオフィスづくりを試みながら、得られたノウハウを共有し、ライブオフィスは進化を続けている。

 


コクヨ品川ライブオフィス視察の様子

 

 

 

THE CAMPUSという場の実験

 

事業における競争力と創造性を維持し続けるために会社が提供する「働く場」とは、従来の「オフィス」という定義におさまらず、多様な人が集い仕事を超えた経験を拡張し、新たな知が生まれる場となるべきと同社は考えている。

 

コクヨ品川ライブオフィスがあるTHE CAMPUSでは、日々、オフィスの在り方や働き方、ビジネス環境の変化に伴い、最新のオフィス空間やワークスタイルを研究。新たな働き方を実験している。そして、社員のアンケートやワークショップ、IOT機器を通じて取得したさまざまなデータを分析し、新たな課題に真摯に向き合い、改善し続けている。

 


コクヨにおけるTHE CAMPUSの役割(出所:コクヨホームページより引用)

 

 

より快適なオフィスにするための取り組み

 

THE CAMPUSでは、社員が業務のアクティビティーに応じて、 最適な場所や時間を自由に選択できるABW(Activity Based Working)という働き方を導入している。これらの働き方をより効率的に実践できるよう、フロアごとの機能を明確化。社員は、仕事の内容と目的に合わせて、自らフロアを選んで働くことができる。

 

また、位置情報システムを用いて社員のオフィス内での居場所の見える化に取り組んでいる。こうすることで、社員同士の居場所の確認やフロア毎の混雑状況の把握をすることができるという。それらの行動分析データをもとに、より最適なオフィス空間へアップデートを行う。