はじめに
2011年設立の東京片岡英彦事務所は、戦略PRの視点からコミュニケーション戦略の立案と提案を手掛けるPR会社である。同社のキャッチコピーは、「組織や人や地域を幸せに、コミュニケーションをデザインする事務所」だ。
戦略PRは、2013年ごろからマーケティング業界を中心に注目され始めたPRに関する考え方である。現在においても、物やサービスを販売するために欠かせないコミュニケーションの概念と言える。
戦略PRの定義は、「物やサービスを直接PRするのではなく、まずは関連の市場に働きかけることで、物やサービスが売れる空気、または話題をつくり出すこと」。戦略PRを推進することで、長期的に物やサービスを効率良く売ることができる。
東京片岡英彦事務所のロゴ
まなびのポイント 1
戦略PRを推進する上で、一時の話題性を狙った短期的施策のPRではなく、中長期的に物やサービスが売れる空気をつくることが重要だ。ポイントは次の3つである。
(1)仕掛け・場づくり 話題になる仕掛け(パブネタ:パブリシティの話題)づくりや、露出を前提とした構成、クチコミの場づくりなど
(2)ターゲットの関心に合わせた構成 オープン・クローズ情報か、積極・受動的かを考慮
(3)PDCA 企画を考え、仕掛けを実施し、PDCAを回す
片岡英彦氏の著書『成果を出す 広報企画のつくり方』(宣伝会議)
まなびのポイント 2
戦略PRと戦略的でないPRの違いについて、戦略的でないPRは、伝えたい情報をプレスリリースで出すのみで、取材待ち、掲載、クリッピング、広告掲載と受け身な姿勢である。
戦略PRは、露出を前提とした構成で話題になる仕掛けをつくる。また、戦略PRには正しいペルソナ(商品・サービスのユーザー像)の設定が必要だ。ターゲットに適したPR手法を検討する。
まなびのポイント 3
PR活動における目標設定と効果測定について、次の3つを押さえていただきたい。
(1)単純な広告換算だけではなく独自の評価指標を設定する 好感度・想起率などである。数値はビフォー・アフターで検証することも忘れないでいただきたい。
(2)予算はビジネスモデルを含めて顧客の獲得単価から考える 例えば、LTV(顧客生涯価値)などである。
(3)広告換算と合わせて施策前の認知度などの現状認識調査を行う
また、自社のPR活動をストーリー化(物語化)することも重要である。ポイントは、次の5つである。
(1)日本一・統計的・標準的・視覚的・連続的・反復性の要素を組み合わせる
(2)社会課題・問題解決ストーリーを交える
(3)旬なネタか、シェアしやすいかなど、クリエイティブのポイントを押さえる
(4)インフォグラフィックスによる可視化(統計的×視覚的)
(5)簡易ゲームやアプリを活用したゲーミフィケーション
講演の様子