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研究リポート
PR/広報研究会
クロスメディア時代を生き抜くために欠かせない「PR/広報」の本質的価値と、顧客体験価値向上に成功している企業の事例を通して、最適なコミュニケーション手法を研究します。
研究リポート 2026.05.08

「『生活の木』が提案する自然の恵み&香りによるブランディング」 生活の木

第1回の趣旨
PR/広報研究会では、企業価値向上のために「経営機能」としてPR活動を推進することをテーマに、経営に「インパクト」を生み出すPR戦略や、企業のブランディング戦略に沿ったPR戦略などを成功事例から学ぶ。
今回は、高品質なクッキーを中心に国内外で菓子を製造・販売するヨックモックより「企業価値を最大化させるためのブランド体験」について、またハーブやアロマを扱うライフスタイルカンパニーである生活の木より「自然の恵み&香りによるブランディング」をテーマにご講演いただいた。

開催日時:2026年2月27日(東京開催)



はじめに

生活の木は1955年の創業時から約70年の歴史の中で事業領域・パーパスの変遷を遂げ、現在はライフスタイルカンパニーとして事業を展開している。「『自然』『健康』『楽しさ』を提供することにより、生活の木に関わる全ての人の生活を豊かにする」を経営理念として掲げ、より多くの自然の恵みを取り入れることで、心身ともに健康で美しくあるための“Wellness & Well-being”なライフスタイルを提案している。

 

アロマ・ハーブを軸に、原料仕入、製造加工、全国の直営ショップでの販売、卸売、OEMまで全て手掛ける一貫流通体制を特徴とする同社から、『自然の恵み&香りによるブランディング』をテーマにマーケティング本部ゼネラルマネージャーである重永創氏に講演いただいた。

  策定されたブランドステートメント。アロマ・ハーブを日常に少し取り入れるだけで生活が豊かになるという提案を、全社一丸となって展開するという思いが背景にある(出所:生活の木コーポレートサイト)

策定されたブランドステートメント。アロマ・ハーブを日常に少し取り入れるだけで生活が豊かになるという提案を、全社一丸となって展開するという思いが背景にある
(出所:生活の木コーポレートサイト)






世間のイメージを打破するリブランディング

アロマやハーブを取り扱い始めた当初、アロマやハーブは一般的に“趣味の領域”というイメージが強く、その価値観の壁を打ち破れなかった。その課題に対し、新しいステートメントを立てリブランディングを実施した。

 

例えば、新規のお客さまの選択肢となるよう商品を日常に溶け込みやすいデザインにリニューアルしたり、新たな香りの発見と選ぶ楽しさを知ってもらうコンテンツを用意をしたり、これまで築き上げた機能的なブランド価値はそのままに、新たなイメージを世間に醸成し世の中に届けるための施策を複数実施した。

 

リブランディングでは、各業務を担当する社員一人一人が腹落ちした状態であることが重要であり、いかに社内へ浸透させるかを重視すべきと考え実行している。

 

「 MY AROMA project 」では、アロマの魅力を伝え、より深くアロマの世界に没頭してもらえるよう、オンライン・オフラインでコンテンツを提供している

「 MY AROMA project 」では、アロマの魅力を伝え、より深くアロマの世界に没頭してもらえるよう、オンライン・オフラインでコンテンツを提供している
(出所:生活の木 公式ホームページ)



理念を実現するための体制構築

リブランディングの取り組みの1つとして、新しいお客さまにアロマ・ハーブに興味をいただくための仕組みを作った。例えば、直感的にアロマを選べるAIや空間VRを活用した店舗の立ち上げや、宿泊施設など異業種との協業、各施設や顧客層に合わせたOEMの展開などが挙げられる。また、産学連携は、学生との意見交換だけでなく、認知拡大や次世代の人材確保という側面でも機能させている。直近では、越境ECを立ち上げ、海外へ向けた事業を展開している。

 

新しくリーチできる層へのアプローチを今後も増やしていくことで、新しいお客さまにアロマ・ハーブに興味関心を抱いてもらう取り組みを強化していく。

 

異業種他社との取り組み一例である「北陸新幹線×生活の木」の様子。
リラックス空間の一環として、グランクラス専用で生活の木のハーブティーが提供されている



既存層への自社SNS発信、新規層へのPR

生活の木は、自社アプリやInstagramとTikTokをメインに、既存顧客へのコミュニケーションをはかっている。単なる商品紹介ではなく、ハーブやアロマを使ったクラフト系の投稿など、興味を引く動画投稿がメインとなる。また、よりコア層へ向けては、自社アプリ内で、オウンドメディアへの導線設計やお気に入り店舗登録など、お客さまへパーソナライズされた情報発信を目指している。

 

新規のお客さまへのアプローチとしては、自社情報だけではなく他社との取り組みによる情報発信を行うことで相乗効果を狙い、PRを確実に仕掛けていくことを意識している。

 

これら、新しい”見せ方”/“魅せ方”で、商品・サービス開発や情報を発信し、今後も話題を創出していくという。

 

InstagramとTikTok、フォロワーの属性に合わせて、それぞれ異なる動画を投稿している

 

PROFILE
著者画像
重永 創 氏

生活の木 
マーケティング本部 ゼネラルマネージャー