タナベコンサルティングのPR/広報研究会では、多種多様な企業の成功事例から、自社におけるPR戦略構築から具体的実装力を強化する方法を学び、自社の魅力を最大限に発信する広報・PRのメソッドを提供する。
第2期第6回のテーマは「広報とブランディングのシナジー」として、前半はオフィス関連の総合ソリューションを行う丸天産業の『空間×人で創る中小企業のブランド改革と広報戦略』、後半は賃貸住宅の仲介・管理を行う株式会社オンテックの『キャラクターコンテンツを活用し、東海県内で認知拡大の広報活動』について解説いただいた。
開催日時:2025年12月22日(名古屋開催)
はじめに
株式会社丸天産業は、1950年に事務用品販売で創業し、時代の移り変わりに伴って家具販売、空間構築と業務領域を拡大してきた。現在では❝未来を変えよう、「人」と「空間」のチカラで❞というパーパスのもと、空間構築にとどまらない働き方の提案までを行い、顧客のニーズに合わせて提供価値を変化させ続けている。
同社がブランディングに着手したのは2011年のことであった。自社の価値を社外に伝えるため、事例集「Honesty」を制作した。その他にも、自社に顧客を呼ぶ文化の創出や「発信×改善×創出」を統合する「未来企画室」の設置など、さまざまな活動を通じて「丸天らしさ」を創り続けている。
パートナー企業も活用できる同社のエントランス
社外に「丸天らしさ」を伝える
2011年ごろ、事業を拡大させていく中で同社の課題になっていたのは、知名度の低さや自社の価値が社外へ伝わっていないことだった。ブランドの土台づくりとして初めに着手したのは事例集「Honesty」の制作だった。顧客との関係性を可視化した広報物として、これまでの実績を可視化することで、営業活動の武器にとなり、認知度向上につながった。
また、顧客との関係性を形にするだけでなく、「一緒に体験し、共感を生む場」としてオフィスイベントを積極的に開催した。顧客に「丸天らしさ」への理解を深めてもらうとともに、関係性の質を高めることにも成功した。
出所:竹内氏講演資料
社長直下の「未来企画室」立ち上げ
「発信×改善×採用」を統合する変革組織として、社長直下にて「未来企画室」を発足。
未来企画室の役割は、働き方改革から、広報戦略、採用など多岐にわたる。ホームページのリニューアルや戦略的なインターンの採用などを部門横断的に一貫して行う。その結果、毎年5人程度だった採用への応募人数が今では400人程度にまで増加した。
他にも、社員数が増える中、組織としての軸をぶらさないためにパーパスを策定。コーポレートアイデンティティーやクレドの刷新も手掛けた。現在は「社内プロジェクト制度」として、若手から管理職までさまざまなメンバーがプロジェクトごとにリーダーを務め、自社のブランドづくりに参画している。
出所:竹内氏講演資料
空間がブランディングの加速装置に
オフィスをリニューアルする際には「顧客を呼べるオフィス」を目標に、自分たちでストーリーを説明できるオフィスを作った。オフィスを案内するうちに「丸天の取り組みが聞きたい」との声が増え、「空間×運用×人」が自社の強みであると気付いたという。
新社屋は「コンセプトを脱する」がコンセプト。自社とパートナー企業の歴史を展示したエントランスや、春夏秋冬でテーマを分けて各フロアごとにデザインを施すなど、オフィスをただの建物とせず、「人と人がつながり価値が生まれる場」として空間までも戦略資産として活用している。
春夏秋冬の「冬」をコンセプトにした同社の4階
丸天産業 経営企画部 部長