タナベコンサルティングのhttps://www.tanabeconsulting.co.jp/lab/pr/では、多種多様な企業の成功事例から、自社におけるPR戦略構築から具体的実装力を強化する方法を学び、自社の魅力を最大限に発信する広報・PRのメソッドを提供する。
第2期第5回のテーマは「広報に求められる役割とアクション/PMVVと広報」として、業界で多く成功事例を持つゲスト講師が登壇。前半は、美容室向けヘアケア製品の販売を中心とするBtoBtoCメーカーである株式会社ミルボン様より、「BtoBtoCメーカーの広報戦略構築」について、後半は家計簿アプリなどの資産管理アプリやバックオフィス向けにクラウドサービスを提供する株式会社マネーフォワード様より「マネーフォワードのカルチャーを育み体現する広報」をテーマにMVVCを軸とした広報活動について解説いただいた。
開催日時:2025年10月27日(東京開催)
はじめに
ミルボンは、美容室専売のヘアケア製品およびヘアカラー剤の製造・販売を主力事業とする日本の化粧品メーカーである。1960年に創業し、現在では国内外に拠点を持つグローバル企業として展開している。世界14地域に拠点を持ち、グローバル市場でも高品質な製品を提供。美容業界のプロフェッショナルから高い評価を受けており、国内シェアはトップクラスの実績を誇る。
「“世の中に美容師が最も支持するのはミルボン”という認識を形成することで、事業をゆるぎないものにすること」を広報の役割として定義し、その定義に基づいた基本方針のもとあらゆる広報手段を通じて、社会認知向上に向けて活動している。
広報室立ち上げの変遷と転換期
同社に広報室ができる前までは「美容室向けメーカーとしては最大手」だが、一般的な化粧品メーカーとしては「無名」であった。そこでコーポレートブランディングを経営戦略の1つとして広報室を設立した。立ち上げ当初は、会社としてどのような領域を担うのかよく分からない状態であったが、外部セミナーで知識を習得しつつ、ミルボンらしい認知度向上活動を探っていた。
そのころはまだIR担当の傍らで広報活動を進めていた「片手間広報」であり、目的の定まらない広報活動を展開していた。そして広報専任になったタイミングで、社内でさまざまな広報活動が飛び交い、組織ごとの役割や広報活動の打ち手が曖昧になっていることに気付き、何を認知させればいいのか?検証のために何を測れば良いのか?一から自社の認知価値を考えることとなった。
上下:広報室の変遷 出所:木村氏講義資料
広報価値の定義
広報部門立ち上げ時は会社として広報がどんな領域を担うのか不明瞭な状態でIR活動の傍ら、広報活動を展開していたが、片手間での活動の限界を感じ、ビジネスモデルの変遷に応じた広報活動へと舵を切った。同社は商品を美容室に提供し、美容室がエンドユーザーに販売するBtoBtoC型のビジネスモデルを展開している。
そのビジネスモデルから“美容師がもっとも支持するヘアケア・化粧品メーカー”であるという認識を形成し、事業をゆるぎないものにしていくのが広報の役割であると定義した。その定義のもと美容師の「美容知識王」を決める大会など、美容師にフォーカスを当てた広報活動を展開し、認知度の向上を図っている。
株式会社ミルボンの広報活動の定義 出所:木村氏講義資料
PRから発想する新たな事業活動と研究情報を活用した露出の拡大
ビジネスモデルに応じた広報活動を展開してきた同社は新たなステージに挑戦しようとしている。それが「PRから発想する事業広報」と「研究情報を活用した露出の拡大」だ。PRから発想する事業広報においては、美容室の特徴を捉え、美容室で補完できないデジタルの場における「スマートサロン戦略」と、美容サービスの幅を広げる「ビューティライフケア戦略」を広報の面から支援していきたいという。
研究情報を活用した露出の拡大においては、化粧品の開発・研究結果を発信しても、顧客が欲しい情報とマッチしにくい現状を踏まえ、研究結果を顧客に分かりやすく伝え、事業に影響を与えるような広報活動を展開するという。
PRから発想する新たな事業活動 出所:木村氏講義資料
株式会社ミルボン コーポレートコミュニケーション部 広報室 マネジャー