タナベコンサルティングのPR/広報研究会では、多種多様な企業の成功事例から、自社におけるPR戦略構築から具体的実装力を強化する方法を学び、自社の魅力を最大限に発信する広報・PRのメソッドを提供する。
第2期第5回のテーマは「広報に求められる役割とアクション/PMVVと広報」として、業界で多く成功事例を持つゲスト講師が登壇。前半は、美容室向けヘアケア製品の販売を中心とするBtoBtoCメーカーである株式会社ミルボン様より、「BtoBtoCメーカーの広報戦略構築」について、後半は会計などのバックオフィス向けクラウドサービスを提供する株式会社マネーフォワード様より「マネーフォワードのカルチャーを育み体現する広報」をテーマにMVVCを軸とした広報活動について解説いただいた。
開催日時:2025年10月27日(東京開催)
はじめに
コーポレートコミュニケーション室の室長である矢頭氏は、大学卒業後、ゲーム会社の企業広報・宣伝業務、住宅設備販売業の広報部門立ち上げ、食品メーカーの社内外向け広報業務を経て2021年よりマネーフォワードへ入社。
同社は2016年に自社の共通の価値観・目指したい世界観を表現した「Mission Vision Values Culture(MVVC)」を策定。それを基にした「マネーフォワードのカルチャーを育み体現する広報」をテーマに、MVVCやその背景、思いを伝える広報活動を展開してきた。会社やプロダクトに共感していただきファンを最大化する手法や、全社的な広報活動へ生かし育む姿勢・体制について解説いただいた。
マネーフォワード コーポレートコミュニケーション室のMission
出所:矢頭氏講演資料
広報活動の意義と在り方について
広報活動とはメディア露出の獲得を中心に、企業・サービスの価値やレピュテーションを高め、会社や事業の成長に貢献できるように受信と発信に基づいた活動を指す。
よって、ただ自社の情報を外部へ発信することが目的なのではなく、情報発信を通して企業やサービスの価値を向上させることが目的である。
そのためには、以下4つのポイントにより好循環サイクルを発生させることが重要だ。
1つ目は外部環境の変化を社内で情報収集する受信。2つ目は広報戦略に基づいた社外発信。3つ目は集めた世間・情勢などの社会抒情を社内へ伝える発信。4つ目は先述した3つを前提とした広報活動の社内認知・信頼性の構築する受信。ただメディア露出をするのではなく、実際にメディアに出て“ユーザーやステークホルダーにどう見られるのか”という意識が重要である。
広報活動における情報のサイクル
出所:矢頭氏講演資料
報道のPR事例とPRに即した動き
2022年に新たに名古屋開発拠点オープンの際、メディア露出は半期で地域媒体含めて複数の媒体露出を獲得。また、グループのベンチャーキャピタルファンドに対するPRの際には能動的なメディアリレーションを通じて経済紙の1面カラーや業界専門紙での掲載を獲得した。
鍵となったのは「Teamwork」と「User Focus」の観点だ。
「Teamwork」は、メディア露出に向けて他部署の社員・拠点長まで巻き込んだPR活動を推進したことが挙げられる。加えてnoteでも積極的に発信を行うなど、主体的にPRに取り組んでいる。
「User Focus」では媒体や記者に応じたコミュニケーションを行っている点が挙げられる。世の中や相対する記者がどういった情報を望んでいるのか、自分たちの活動と世の中を接続して、コミュニケーション活動を進めている。
名古屋開発拠点PR時の「Teamwork」と「User Focus」
出所:矢頭氏講演資料
MVVCを体現する広報チームを目指して
同社では、MVVCを体現するために「想いをのせた発信」「メディアリレーション」「広報合宿」を重要視してきた。
広報合宿は、広報チーム全体あるいは室単体がそれぞれ相互理解や取り組みを把握した上で連携しながら活動するために、毎回内容を検討。例えば、室単位の合宿はチームと“伸ばしたいカルチャー”を題材に行ったこともある。広報チームでは半期、室では四半期ごとに開催しており、「マネーフォワード広報」のTeamworkを育む場として機能している。
この活動により広報として“どう在りたいか” “どのようなコミュニケーションを行うか”目線を合わせた上で、社内のナレッジを伝えることができるのだという。
広報として迷ったときこそ自社のMVVCを拠り所として活動し、時にメンバーで振り返る。
これこそがマネーフォワードのカルチャーを育み体現する広報の仕組みだ。
MVVCを体現するための活動
出所:矢頭氏講演資料
株式会社マネーフォワード
コーポレートコミュニケーション室 室長