人的資本研究会は、「人材投資は活育サイクルをどう磨くか!人への投資がこれからの企業価値を決める」を今期のテーマとしている。
第6回では、ゲスト2社にご講演いただき、株式会社ミクセルの島様からは「小さな会社の働きがいづくり」、株式会社ひろぎんホールディングスの木下様からは「従業員の隠れた力を引き出すDE&Iマネジメント」についてご講演いただいた。
開催日時:2025年12月23日(広島開催)
はじめに
株式会社ミクセルは、バイオテクノロジーを研究する大学や民間企業へ世界各国のメーカーから仕入れた研究機材や消耗品、試薬、受託サービスを販売する「研究支援事業」と運動特化型デイサービス「元氣ジム」の運営を手掛ける「ヘルスケア事業」にてサービスを展開し、日本の文化と技術で長寿を喜び合える社会づくりに貢献している。
また、当社はGreat Place to WorkⓇ Institute Japan(GPTWジャパン)が主催している「働きがいのある会社」に4年連続で全国BEST100にランクインし、中小企業の働く環境を良くするリーディングカンパニーとして注目を浴びている。このように「医・職・寿」の3つの柱で社会に貢献する同社に、「小さな会社の働きがいづくり」というテーマで「働きがい」の考え方や、実際に導入している取り組みについてご講演いただいた。
※講義資料より引用
「働きがい」の定義
「働きやすさ(衛生要因)」と「やりがい(動機付け要因)」の2軸で整理
近年の人口減少・人材難という中小企業にとって逆風となる社会問題について、島氏は「推進力をもって前に進むことで他社との差別化を図る機会」としてプラスと捉え、自社の働きがい向上に向けた取り組みを継続している。
具体的には、「働きがい」を「働きやすさ」と「やりがい」から得られるものと定義し、さらにマズローの欲求5段階説から、社員の欲求(ニーズ)と会社の具体的な取り組みを整理している。
ベースとなる「安心・安全な環境づくり」については、非年功序列型給与体系の導入や、産休・育休の支援で先進的な取り組みをしている。産休・育休の復帰率は100%で、産休に入る社員には色紙を送り「応援する文化」が醸成されている。この職場環境の背景には島氏の「共働き家族をサポートしたい」という想いがある。
「働きがい」の考え方
※講義資料より引用
健全な社風づくり
経営理念への「共感」が社風づくりに繋がる
ミクセルでは下図のように社長の価値観から繋がる経営理念の共感こそが、健全な社風づくりに重要であると考え、社員が理念に共感できるような施策を導入している。
具体的には全社員が日替わりで行う「理念スピーチ」で、経営理念を自分ごとに落とし込み、自分の言葉で発信する機会や、360度評価で全員が「評価者」となることで、会社が大事にしている評価軸を全員が理解し、会社が求める状態を学習する仕組みを構築している。
また、経営理念を共感してもらうために一番大事だと捉えているのが、「社長・幹部の日頃の言動」である。会社の価値観や理念を体現し、社員に見せる存在として、共感力と論理的思考力を養うことが必要となる。共感力はすなわち「感謝力」であり、特に中小企業においては感謝力が会社のエンゲージメントや人間関係において重要な役割を果たす。「社員の感謝力を高めるには長い時間がかかるが、感謝力がある人材をつくることは組織として大きな強みとなる」と島氏は語る。
※講義資料より引用
日々の仕事への意味づけ
社風づくりを採用から日々の仕事への落とし込みまで徹底
採用活動を社風づくりの重要な要素として捉える同社は、求職者の保有能力よりも情熱や理念への共感をポリシーに掲げ、社風として大事にしている「誠実さ」を採用の軸に据える。誠実さとは小中学校で教わったこと(挨拶や当たり前のこと)ができる人のことで、人の根本的部分の会社での矯正は難しいことから、その部分でのマッチングを重視。中小企業でありながら採用の専門人材を置き、社風に合っている人材確保を徹底している。
また、日々の仕事における目標やKPI・KGIと会社のビジョン・パーパスとのつながりを見える化し、連動を社員に意識してもらうことで、日々の仕事へ意味を持たせ、それらを社風づくりに繋げている。
※講義資料より引用
株式会社ミクセル 代表取締役