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研究リポート
人的資本研究会
人材を投資により生産性を高められる「資本」として捉え、人的資本と活育サイクル(採用・育成・活躍・定着)の視点で事例研究を進めます。
研究リポート 2026.01.15

年間100名の女性と面談する10年で見えてきたこと ひろぎんホールディングス

第6回の趣旨
人的資本研究会は、「人材投資は活育サイクルをどう磨くか!人への投資がこれからの企業価値を決める」を今期のテーマとしている。
第6回では、ゲスト2社にご講演いただき、株式会社ミクセルの島様からは「小さな会社の働きがいづくり」、株式会社ひろぎんホールディングスの木下様からは「従業員の隠れた力を引き出すDE&Iマネジメント」についてご講演いただいた。
開催日時:2025年12月23日(広島開催)



はじめに

ひろぎんホールディングスは、広島銀行を中核とする地域金融グループの持株会社として、中国・四国地方を中心に地域経済の発展を支えている。多様な人材が活躍できる組織づくりを経営の重要テーマに掲げ、女性活躍の推進にも継続的に取り組まれている。

 

女性活躍のキャリア形成支援や管理職登用の促進、仕事と育児・介護の両立支援制度の整備を進めるとともに、制度と風土の両面から、性別を問わず挑戦できる環境づくりを推進していることや、10年間、年間100名の女性面談を実施している経験則を用いて、女性活躍におけるDE&Iマネジメントについてご講演いただいた。

 

未来を広げる ※ひろぎんホールディングス 企業HPより引用 ※ひろぎんホールディングス 企業HPより引用




ひろぎんホールディングスの女性活躍の歴史

10年前と現在の女性活躍における考え方と働き方の変化

ひろぎんホールディングスは、「全員活躍」の方針のもと、女性や障がい者、シニア社員関わらず、一人一人が精一杯活躍できる組織づくりに取り組んでいる。

 

特に、女性活躍推進における施策においては、「女性=事務職」や「女性行員の制服着用義務」など従来の考え方からの脱却をはかり、女性社員の役職者登用や職務配置の拡大、さらには男性の育休・短時間勤務促進、フリーアドレスやリモートワークなど多様な働き方の導入、育児中の女性にも責任ある仕事へのアサインなど、性別の隔たりなく働ける環境整備を実現してきた。

 

「女性活躍」を女性に対する“優遇”ではなく、“男女双方における働き方改革”として捉え、真の組織改革を目指している。

 

ひろぎんグループの女性活躍の歴史 ※講義レジュメより引用 ※講義レジュメより引用

「家事育児の問題」をどう乗り越えるか

「共働き片育て」から「共働き共育て」へ

育休中の女性社員に負担をかけないという善意の配慮が、実は「女性は昇進しない」という暗黙の基準・文化を強化させていた。一方で、男性には無制限勤務を求め続けることで、家庭での共育てを阻害し、結果として女性のワンオペを固定化させているといった状況が見られた。

 

この構造を変えるべく、子育て中の男女を平等に扱うという原則のもと、女性にも高い期待値を伝え、仕事のある責任を任せる一方、男性にも育児配慮し、帰宅後リモートや勤務地選択の自由度を高めるなど、双方へのアプローチを行った。また、当人(女性社員)においても、「自分のやりたいこと」や「なりたい姿の実現」のために、自身のキャリアに対して能動的に向き合い、後悔しない共働き・共育てを実践することを伝えている。

 

これからのパラダイム変化 ※講義レジュメより引用 ※講義レジュメより引用

女性社員のキャリアと向き合うポイント

女性社員が「自信」をつけるためのマネジメントとは

年間100名の女性面談を通し、キャリアアップに対して「自信が無い」「私にはできない」と語る背景には、関係者への配慮や家庭に対するリスクを考慮するなどの様々な心理から、本音が言えない、または本気で自身のキャリアと向き合えていない状況であることが判明し、女性社員に「自信」と「やる気」を持たせるマネジメントの実践に取り組んだ。

 

上司が必要なことは、部下の発言をそのまま鵜呑みするのではなく、その奥にある成長心理を引き出す問いかけと、「3回以上未経験による不安を乗り越える」体験を提供することである。意識すべきポイントは、苦しさを「考慮する、配慮する、取り除く」ではなく、「乗り越えて自信をつける」ための支援である。また、女性社員にも現状維持バイアスがもたらすリスクを伝え、前向きにキャリアと向き合える状況を作り出すことも重要である。

 

「自信」をつけるためには、3回以上未経験による不安を乗り越える必要がある ※講義レジュメより引用 ※講義レジュメより引用

PROFILE
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木下 麻子 氏

ひろぎんホールディングス 執行役員 サステナビリティ統括部長