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研究リポート
住まいと暮らしビジネス成長戦略研究会
人口減・高齢化・住宅への価値観の変化など「住まいと暮らし」領域を取り巻く環境は著しく変化しています。強みを明確にし勝ち続けるためのヒントを事例企業より学んで頂きます。
研究リポート 2026.03.12

「AIエージェント」を実現する働き方改革 JAPAN AI

第3回の趣旨
「住まいと暮らしビジネス成長戦略研究会」では、全国で成長を続ける「住まいと暮らしドメイン」の優良企業への視察を行っている。
第12期のテーマは、「共創で『暮らし』に新たな価値を提供する~地域に必要とされる住まいと暮らし企業を目指して~」である。
第3回となる今回は、ビーバーハウス、JAPAN AI、ナレッジキャピタルをゲスト講師に迎え、その事業戦略について研究を行った。
研究会2日目、講義と施設見学を通じてAIエージェントの実用化動向と共創型データ基盤の構築を検証し、「『AIエージェント』を実現する働きかた改革」について、JAPAN AIの講演より学びを深めた。
開催日時:2026年1月28日(大阪開催)


はじめに

今回の講義では、中小企業から大企業までAI導入コンサルティングとソリューションを通じて未来を共創する、JAPAN AI執行役員CMOの飯田氏が登壇。AIの潮流や基礎知識の解説から、AIが複数ツールを横断して業務を自律実行する「AI社員(AIエージェント)」の具体事例までを紹介いただいた。

 

講義の中では、「各企業におけるAI技術導入を単なる業務改善・効率化にとどめず、官民・産学・異業種の共創によってデータ基盤と業務標準を整備し、『暮らし=コト』を編成できる組織能力の内製化こそが成長の鍵だ」と強調された。

  「AI時代の経営」を支えるJAPAN AIの事業概要 出所:JAPAN AI講演資料 「AI時代の経営」を支えるJAPAN AIの事業概要
出所:JAPAN AI講演資料




2025年、AIエージェント=AI社員実用化の年

会話型AIは推論力を高め、自律的に考え実行する「エージェント」へと進化し、メール、CRM、ファイルストレージ、カレンダーなど複数ツールを横断操作できる段階に入った。営業・人事・サポート・バックオフィスでの適用が広がり、議事録要約からデータ投入、文面作成、日程調整までの一連業務を連続的に担う事例が現場で稼働している。

 

講義では、名刺情報の投入、会社調査、CRM自動入力、お礼メール草案作成、日程候補日の提示までを連携するデモンストレーションが行われ、送信前の最終判断のみを人が担うという運用の流れが実演された。

 

飯田氏は、「競争力の分水嶺は『エージェント設計力』と『業務連携標準』にある」と指摘。「経営は業務をタスクに分解し、接続すべきツールと権限、例外処理、最終承認のガバナンスを定義した上で、『検証、段階導入、本番運用』のプロセスを整えるべきである」と続けた。

  AIエージェントの幅広い分野での活躍事例(人事・採用プロセス)出所:JAPAN AI講演資料 AIエージェントの幅広い分野での活躍事例(人事・採用プロセス)
出所:JAPAN AI講演資料

成功企業の鍵は技術・進め方・データ

セキュアなマルチLLM環境の普及により、社内チャットや議事録作成は標準機能化し、技術的な格差は縮小している。一方で、欲しい情報を検索・抽出し、その内容を元にAIに回答させる技術「汎用RAG」の正答率は約70%とされ、データの質とインデックス設計が成果を大きく左右する。

 

成功企業は、「汎用ユースで成功体験を作る、意欲ある部門で小さく開始、トップの意思表明で横展開」という進め方を徹底している。具体的には、対象業務を限定し、KPI(時間削減・誤入力率低下・提案リードタイム短縮など)を明確にした上で、ベテランのノウハウを議事録・動画・Q&A化して検索可能な状態に整備している。

 

飯田氏は、「多くの躓きはデータ整備と検索精度に起因するため、『ヒト・モノ・カネ』といった資源配分は『進め方の設計』と『データ・RAG品質』に重点的に振り向けるべきだ」と述べた。

  AI導入のパターンと傾向 出所:JAPAN AI講演資料 AI導入のパターンと傾向
出所:JAPAN AI講演資料

図面・入札・CRM連携のAI自動化

講義では、実際にAIを活用した事例がいくつか紹介された。建設業の事例では、数千〜数万件の図面PDFを種類・寸法・作成年・物件IDでタグ付けし、AIが入札仕様の要件抽出、一次チェック、関連図面の自動提示を行う仕組みを構築。また営業活動においては、商談後の議事録要約、CRM自動入力、お礼メール草案作成、候補日提示までを自動連携し、担当者は最終承認のみを担う事例が紹介された。

 

これにより、出先からでも高速な情報検索が可能となり、複雑なストレージ階層の探索時間を解消している。ダブルチェック用エージェントと監査ログでガバナンスを担保し、KPI(時間削減・誤入力率低下・受注率向上など)で効果を測定・改善しているという。

 

議事録生成といった単一機能だけでなく、業種を問わずさまざまな用途でAIを導入することで、業務全体の効率化を図ることができる。

  建設業(営業)でのAI活用事例 出所:JAPAN AI講演資料 建設業(営業)でのAI活用事例
出所:JAPAN AI講演資料

PROFILE
著者画像
飯田 海道 氏

JAPAN AI株式会社 執行役員 CMO