戦略ビジョン2050を策定し、DXの方向性を明確化
同社は、「地方で、楽しく働く人の和を繋げる」ことを、ミッションとしている。 10年以上前に、2050年の未来を見据え戦略ビジョンを策定し、その経営戦略の中核としてDXを位置付けた。 DXにおいては大きく2つの目標を掲げる。
まずは、情報のレスポンスの最適化である。建設現場では、設計から施工まで多くのプロセスにおいて、属人的でアナログな点がある。情報が欲しい側と提供する側の時間的な制約やギャップが存在する。これらをDXにより解消し、ムダ・ムリ・ムラを減少させることを目指している。
次に、情報の格差解消である。建設業界の価値を上げるための情報プラットフォームを立ち上げ、建設業の魅力発信、技術者の育成、就労促進を目指している。
女性を中心とするDX推進室で「DX4つの展開ステップ」を進める
同社では、DXを本格的に推進するタイミングの2012年から、代表直下のDX推進室を設置した。 DX推進室では女性メンバーが多く、彼女たちのコミュニケーション能力やチームワークスキル、問題解決と創造的な発想をもとに、新たなアイデアや革新を進めることができている。
DXにおける展開ステップは、大きく4段階ある。第1の導入前段階では、業務棚卸とワークフローの整理を進めた。部門を跨ぐワークフローを整理し、オぺーレーション状況、帳票の使用状況を確認し、漏れなく、ダブりなく、“最適な断捨離”を進めていった。第2の導入期では、営業部においてCRM・SFAを導入。
例えば、セールスフォースとEvernoteを紐づけ、デジタル化により、顧客情報と関連情報(図面など)をいつでも正確に確認できるようにした。 また、これまでの報告書作成業務を見直し、デジタル化により、週間・月間などの報告書作成をゼロにし、自動で報告書を配信できるようにした。
DXの取り組みを加速。徹底したインサイドセールスにより、SEO対策1位
第3の成長期・第4の超成長期では、導入したシステムを生かし、社外発信を強化するためさまざまな取り組みを実行した。WEBマーケティング強化策としてのSNS配信、ホームページ拡充、ウェビナー開催、専門コンテンツの配信などである。ママさんライターを活用し、専門性の高い記事を毎月30件配信している。また、チャットGPTや動画生成AIを活用し、配信動画を量産化する工夫を行っている。
これらの取り組みにより、コンバージョン率(※)は業界平均0.8%に対し、同社は8%~27%と高水準を実現し、その結果、狙ったターゲット層に対し、SEO対策1位を獲得することに成功している。同社は、独自の技術開発力により確固たるノウハウを構築、そして、限られたマンパワーによりWEBで発信し、最大の営業成果、高収益体質を実現している。まさに、地方の中小建設業の目指す姿と言える。
最後に、芹田社長のメッセージを以下に記載する。中小の建設業に重要な視点である。ぜひ参考にしていただきたい。
「DXは社長の覚悟が最も重要。社長自らがリーダーシップを発揮することが必要」 「システムを入れるだけでは期待する効果は出ない。システムを導入し、完成に近づける残り数%が最も重要であり、そこに力を注ぐことが必要」
※コンバージョン率とは、WEBサイトにアクセスした人のうち、会員登録や資料請求、商品購入などの成果(=コンバージョン)に至った人の割合を表す指標