はじめに
大成建設の道路部門から独立する形で設立した大成ロテック。全国に200拠点を有し、一般道路、高速道路、トンネル、空港などの舗装工事だけでなく、宅地造成、管路施設、堤防、フェンス、植栽などの土木・外構工事事業、競馬場、グラウンドサーキット、公園、スポーツ・レジャー施設などの建築工事を手掛けている。
i-Construction(アイ・コンストラクション)の導入が変換点となり、ICT、BIM/CIMを活用した、最先端のデジタル技術を活用する建設DX企業である。近年はカーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に力を入れ、時代に合ったICTを開発。次の世代に新しいことを残すことを目指す同社に、取り組みの実例を紹介していただいた。
まなびのポイント 1:作業時間を7割削減した、出来形評価・施工数量確認システム
同社は「出来形評価・施工数量確認システム」を導入したことで、より簡単に、より早く、より正確に計測ができるようになったという。現場では、アプリを搭載したスマートフォンを使用し、動画を撮影するように起点座標から終点座標を歩くだけで計測が完了する。従来手法での出来形計測は、測点ごとに3~4名必要であったものが、システムの導入により施工範囲全体を1名で計測できるようになったのである。
実施工程線の描画、出来高表などを自動で作成してくれる上、精度も従来の手法より正確。また、点群データを基に時系列まで含めた4Dモデルを作成することも可能だ。
まなびのポイント 2:計測にかかる時間を40%削減したリアルタイムTLS
従来のTLS計測の課題は、データ解析に時間がかかることと、点群データの精度にばらつきがあることだった。しかし、「リアルタイムTLS」はその課題を解決した。
データ解析時間については、テキストデータを直接送ることができるため、通常は30分かかっていた拡張子変換の時間が0分に。点群データに関しては独自の技術開発により、データの精度を均一化することができた。密度調整が不要になり、データ処理にかかる時間は従来の3分の1程度になった。
上記2点により、計測にかかる時間の40%を削減。2種類の工種を一気に行う舗装工事、即日復旧の必要な修繕工事などで、効果を発揮している。
リアルタイムTLSシステム計測の様子
まなびのポイント 3:今後の取り組み
大成ロテックではさらなる建設業への貢献を目指し、次のような取り組みを行っている。
(1)アスファルト舗装の温度計測は人的計測を無くしていく
(2)舗装修繕に提供できるシステムの構築
(3)より精密化した出来形管理計測の自動化のシステムの導入
(4)リアルタイムでの人の管理
(5)無人でセンシングをする技術
今後も建設業界のニーズにアンテナを張り続けるだけでなく、GXカーボンニュートラルなど、業界以外のニーズの把握にも努めていくという。