はじめに
常盤工業株式会社は、2026年4月で創業100年を迎える静岡県西部の老舗ゼネコンである。
建築事業を主力(約7割)としており、幼児保育施設の建設が強みである。直近では東京支店も開設されており、今期は売上高77億円を計上する見込みである。また、ZEBの設計施工案件を増加させ、究極のエコビルディングを提供している。
同社の成長の要因は、経営トップ(現会長)による「ブランドが価値をつくる!」という発想であり、特にコーポレートブランディングに基づいた社内、社外への認知度向上にある。同社のブランディング活動はまさに0(ゼロ)からのスタートであり、何もないところからスタートした。本講演会のゲストである高橋脩夫氏は、ブランディング活動全般を任される中、ブランディングを3つの要点に絞り(1.到達点を決める 2.キャラ設定 3.ストーリーづくり)、活動に取り組み始めた。
自社の強み、特徴と社員、組織の特性を組み合わせたストーリーづくりで企業価値を発揮し、社会課題の解決(子育て施設の建設)を行ってきた同社の企業ブランディングのポイントを3点にまとめて紹介する。
ゲスト講師プロフィール
ブランディング 3つの要点(到達点を決める)
到達点を決める前にまず、ブランドの定義を決めることが必要である。ブランドメッセージステートメントは「あなたの物語をつくる 熱い仕事」であり、「だれにイメージされたいか?」が出発点である。
ブランドのポジショニングについては「NOブランド:知らない」→「赤ん坊ブランド:知っている」→「凡人ブランド:嫌いじゃない」→「優秀ブランド:なんとなく好き」→「スターブランド:偏愛」の順にステップアップしていき、イメージされたい相手≒ステークホルダーである。
また、「どの範囲まで広げるか」については「直接の利害関係に関わらず建築物やインフラの利用者など影響を受けるすべての人」となる。
ブランディング3つの要点(到達点を決める)
ブランディング 3つの要点(キャラ設定)
キャラ設定の段階では、自社のキャラクター(どんな社員が多いのか?)を理解することが必要であり、次に「そのキャラクターを変えるのか?」どうかを検討する。
パーパス=自社の社会的意義(普遍的なもの)に対して、ブランド=イメージ(妄想)は変化してもよく、時代性、環境(市場)を意識する必要がある。
また「フロントローディングで施工効率化を…」「企画・提案段階から入り込んで…」「OBのお客様もしっかり囲い込んで…」「施設運営まで考えた提案を…」などと、バリューチェーンからもイメージさせることが欠かせない。そして到達点とキャラの設定は、関連させながら進めて固めることが重要である。
ブランディング3つの要点(キャラ設定)
ブランディング 3つの要点(ストーリーづくり)
ストーリーづくりの観点では、一貫性とわかりやすさが重要であり、イメージと実態が合うことが信頼感UPにつながる。
一貫性とは、「子育てしやすくするための保育施設を建設する」「子育てを支援するチャリティー活動に参加する」「子育て意識の高い社員がいる」という3つが循環していることである。
同社ではこれまで多数の幼児保育施設を建設してきたが、「子育てしにくい(=社会課題)」というニーズに応えるべく本業の枠を超えて出産、育児に関するチャリティー支援を行い、ブランディングにおけるストーリーづくりを行ってきた。一連のブランディング活動を通じて社員が子育てに積極的に関わる風土が社内に醸成されており、取り組みはさらに拡大、浸透している。
ブランディング3つの要点(ストーリーづくり)
ブランディング3つの要点(チャリティーイベント実例)
常盤工業(株) 執行役員 経営基幹本部 ゼネラルマネジャー
経営学修士(MBA)
SDGs for school 認定エデュケーター
KSI認定ESGアナリスト・アソシエイト