はじめに
登壇者である本田仁志氏は、東芝アーバンコーポレーション、ファーストリテイリング、トランコスモスを経てロジスティードに入社。
現在は、同社のCFO・FP&Aとして、ロジスティードの再上場に向けてキャッシュフローや企業価値の最大化を目指し経営に携わっている。
まなびのポイント 1:FP&Aの役割とキャッシュ思考・未来思考の重要性
FP&Aとは、Financial Planning & Analysisの略語で、財務や会計の知識を活用し、会社全体、または事業・サービス・製品単位において、財務的視点からさまざまなデータの集計や分析を行い企業戦略のアドバイスを行う職種である。
創業経営者にとって、事業計画と財務計画は両輪であり、「このビジネスはどれだけ儲かるのか」「どれだけキャッシュが生まれているのか」を常に考えている。過去に成功した日本の創業経営者の頭の中に、FP&A的な思考様式が存在していたことはさまざまな書籍から見て取れる。日本企業にもFP&A機能は存在しており、この思考・機能こそが重要である。
経営戦略と財務戦略
まなびのポイント 2:FP&Aが機能するための要件とテクノロジー
日本企業は、現場単体で機能的(インクリメンタル)な改善を進め部分最適になる傾向が強い。企業の創業期は、グランドデザインとインクリメンタルな戦略が創業者を軸に同一となっている。しかし、企業の発展に合わせて組織経営へと移行すると機能が分散し、グランドデザインが不在となる。現場のインクリメンタルな改善のみに比重が移り、組織がサイロ化した組織経営に陥る可能性が高い。
それを防ぐためには、エクセルの非効率・不完全な経営情報の収集から、ERPシステムのように、企業活動のさまざまな業務に対応したモジュールを共通のシステム基盤に結合し、システム化することが重要である。
FP&Aが機能するための要件
まなびのポイント 3:CFOとFP&Aの将来像
CFOの役割は、①キャッシュの守護者「キャッシュをどう守るか?」、②キャッシュの預言者「キャッシュがどうなるか?」、③キャッシュの伝道者「キャッシュ思考をどう広めるのか?」の3つであり、投下したキャッシュに対するリターンの最大化を追求することが重要だ。全体最適の視点で、Accounting機能(経理)、Treasury機能(マネジメント) 、Tax機能(税金)、Audit機能(監査)、FP&A機能、などの強化が求められる。
一方で、FP&Aは使い方によっては人を欺く武器(割引率の操作など)になり得る。経理・財務部門の人材にはインテグリティ(誠実さ)が必要である。
今後は日本企業の強みである「現場力」と、FP&Aを実装した「経営力」の両輪を機能させることが日本企業再興のカギになる。
経理・財務部門に必要な専門スキル