人的資本研究会は、「人材こそ“資本”!人への投資がこれからの企業価値を決める!」をテーマとしております。そこで重要になるのがエンゲージメントを高める取り組みです。エンゲージメント向上には「成果の見える化」と「社員へ現状と対策を見える化」の“2つの見える化“がポイントとなります。
第4回では、活育サイクル(採用・育成・活躍・定着)を磨くアプローチを特別ゲスト3社にご講演いただきます。2024年8月26日(愛知開催)
はじめに
ウエルズ社会保険労務士事務所の代表である五十川氏の経歴は、元々民間会社であるスーパーマーケットの店長から始まり、総務・人事担当を務めていた。その後ハローワークで勤務、その経験を活かし、現在は社会保険労務士としてハローワークに特化した業務を行っている。
クライアント先において、ハローワークを活用した人材採用のご支援を行っており、日本で初のハローワーク採用に特化した書籍を執筆。全国各地での講演活動も行っており、受講者は1万人を超えている。
現在では、求人に関わる支援を中心とした書籍を数多く執筆し、世の中に送り出している。
2024年2月にも新著となる『「求人票」で欲しい人材を引き寄せる 中小企業のための「ハローワーク採用」完全マニュアル』(2024,日本実業出版社)を発売し、積極的に企業の採用強化に取り組んでいる。
五十川氏の主な著書
お弁当づくりから考える人材採用のポイント
ハローワークの求人票はA4両面1枚となっており、インターネットでも求人申し込みは可能。この求人票が求職者との接点となっており、求職者が求人票を見た際に、いかに目に留まり魅力的に発信できるかを考え、作成していくことがポイント。
五十川氏はそれを「お弁当づくり」と捉え、誰も手に取らない、食べない、買わないスカスカのお弁当では採用はできない。彩り豊かなお弁当が魅力的に映り、採用につながるとお話しされている。
求人票をお弁当箱として捉え、何を入れていくかという視点で作りこんでいく。
求人票というお弁当箱を彩るおかずは、
①「誰に(ターゲット)」:採用したい人材はどのような人か、ターゲットを絞り込む
②「何を(内容)」:求職者の興味関心があることをわかるように伝えていく
③「どのように(方法・媒体)」:求人票、HP、動画、SNSなど
この料理をしない企業がほとんどであるため、盛り付け方の工夫で他社との差別化を図ることで採用につなげていく。
求人票の工夫事例
行政(ハローワーク)から積極的な求職者紹介を受けるコツ
自社が求職者に対して、アピールしていく求人票をつくるだけでなく、ハローワーク職員が求職者に積極的に自社を紹介してもらえるような求人票に仕上げていくことも重要。
ハローワーク職員が説明しやすく、求職者を口説く材料を入れていくポイントとして、
①欲しい人材にとってのベネフィット
②ベネフィットを具体的に説明できる事例
③他社と比較した際の自社の魅力
④求職者が不安を払拭できる材料
これらを求人票に盛り込み、ハローワーク訪問時に情報提供を行っていくことで、積極的に紹介をしてもらう仕組みにしていく。その活動を通じてハローワーク職員との関係性を構築して協力したくなるようにしていくことがポイントとなる。
中堅中小企業のお金をかけない採用強化のポイント
中堅・中小企業は、採用活動に経営資源を大手企業のように無尽蔵に投入することができない。いかに工夫をして採用につなげていくかが求められる。
ハローワークオンラインのアクセス数は1日平均で240万アクセスとなっており、求職者の申込件数も年間458万件の日本最大の求職媒体となっている。
ハローワークの求人に期待していない求職者は多いが、失業給付を受けるため、一流のビジネスパーソンも医師や薬剤師といった専門職も登録を行うため、チャンスはある。
ハローワークの活用においてのポイントは、まず法令に反することは書けないが、基本的には何を書いてもよいので、相手に刺さる内容をしっかりと記入していくことが大事である。
ハローワークの求人システムには意外と知られていない機能がある。
①直接リクエスト:求職者のマイページを通して求人情報を直接送付
②画像情報の登録:事業所の外観や取扱商品なども登録できる
③オンライン応募:ハローワークを介さずマイページで求職者から応募を受けられる。
ハローワーク求人システム
直接リクエストの流れ