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研究リポート

人的資本研究会

人材を投資により生産性を高められる「資本」として捉え、人的資本と活育サイクル(採用・育成・活躍・定着)の視点で事例研究を進めます。
研究リポート 2024.06.12

育成、活躍、定着を支える「エンタメ業界流HR施策」

エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ

【第2回の趣旨】
企業が経営環境の変化に対応しながら持続的に企業価値を高めるためには、事業ポートフォリオのみならず、人材ポートフォリオの構築や、付加価値を生み出す人材の確保・育成など経営戦略と適合する人材戦略が重要である。人的資本研究会では、「事業と連動した経営戦略×人材戦略の最大化」を探求している。
第2回は、人材の育成、活躍、定着を中心とするHR施策について、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ経営企画部総務人事グループシニアプロデューサーの佐藤高広氏にご講話いただいた。

開催日時:2024年4月16日(大阪開催)

 

 

 

エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社
経営企画部 総務人事グループ シニアプロデューサー 佐藤 高広 氏

 

 

はじめに

 

同社は、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)のグループ会社として2002年に設立。国内最大級の電子コミック・電子書籍配信サイト「コミックシーモア」を展開している。コミックシーモアが取り扱う冊数については、120万冊以上。

 

講師である佐藤氏は、NTT持株会社、NTT西日本の人事制度部門の経験も持つ。

 


 

まなびのポイント 1:自社独自の制度を構築

 

同社はこれまで、NTT西日本グループの制度に合わせる形で、派遣社員の直接雇用やキャリアアップ制度を活用し、事業領域に必要なリソースを確保していた。しかし、コンテンツ流通事業特有の働き方にグループの制度が追い付かず、採用難や離職リスクが常態化していた。

 

そこで、経験者採用についてはエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ独自の仕組みを構築した。事業領域に合わせた新たな人事スキームや制度の導入、経験者採用の強化などを実例から学ぶ。


佐藤氏が考える人材の育成、活躍、定着を支える「エンタメ業界流HR施策」の流れ

 

 

 

まなびのポイント 2:事業運営・組織けん引を担う人材の輩出

 

同社はグループの主要サービスである通信事業と大きく異なる提供価値を持つため、自社に即したバリューチェーンを再設定した。それに伴い、「事業運営・組織けん引を担う人材の輩出」という観点から、人材の育成目標を「テクニカルスキル」「ヒューマン&コンセプチュアルスキル」の2軸で設計。

 

また、主に入社歴の浅い社員に対して、求める人材像や具体的な育成目標と習得のためのカリキュラムを定めた。研修の振り返りの場を適宜設定することで、社員の生の声を聴きつつ、通信教育や資格取得の実績を見える化し、育成担当の自己満足に終わらない工夫も行っている。

 


「テクニカルスキル」「ヒューマン&コンセプチュアルスキル」の2軸で人材を育成
※講演資料は非公開

 

 

 

まなびのポイント 3:社内を活性化させる施策と社内広報活動の推進

 

コンテンツ流通事業は人の出入りが激しい業界のため、新しく入社した社員には、育成ポータルサイトにて自社の特徴を伝えている。社員の目線に立ち、求められる情報を整理し、周囲を巻き込んで発信している。育成に関する成果・評価を公開することで、受講のモチベーション向上に寄与しているのだ。

 

また、新型コロナウイルス感染拡大で弱まった社員間のつながりを強化するため、社内広報活動を強化している。社外講演などで活躍する社員を積極的に発信し、社内の啓発につなげている。

 


実績を見える化し、社員の成長意欲の後押しと効果検証を行う
※講演資料は非公開