【第10期住まいと暮らしビジネス成長戦略研究会の趣旨】
自社の持ち味を生かした個性化戦略で地域ファーストコールカンパニーを目指す
日本国内においては、人口減少、新築着工棟数の減少など、住宅・リフォーム・建設・不動産をはじめとする「住まいと暮らし業界」にとって厳しい未来が予測される。とはいえ、当業界は人間の生き方に関わる領域であり、無くなることはない。
目先の課題は様々に挙げられるが、当研究会では、自社の魅力を最大化し、本質的な価値を提供することで「顧客に選ばれる企業」であり続けるためのヒントを学ぶ。
今回のメインテーマは「個性化戦略」。自社の持ち味を生かした個性化戦略で地域ファーストコールカンパニーを目指す。
縮小市場の中でも貢献価値を尖らせ選ばれる会社に。差別化ではなく、個性化。会員様間・業界内で競い合うのではなく、個性化で棲み分けるビジネスモデルを考えていただきたい。
第2回は、東証スタンダード上場のガーデン・エクステリアメーカーのタカショー様から、住宅業界における付加価値向上のポイント、そしてデジタルトランスフォーメーションによる営業戦略を学んだ。
開催日時:2023年12月22日(和歌山・大阪開催)
代表取締役 高岡 伸夫 氏(左)
常務執行役員 髙田 康平 氏(右)
はじめに:家の暮らしと、庭の暮らしで、幸せな家庭をつくる
タカショーは、東証スタンダード上場のガーデン&エクステリアメーカーである。1980年に造園および庭園資材の製造・販売業として設立し、「戸建、リフォーム、非住宅を対象としたプロユース」「ホームセンターや専門店、eコマースのホームユース」「プロユース、ホームユースの海外事業」という3つの事業セグメントを軸としてグローバル展開している。庭文化と住まい方を自社の貢献価値としているライフスタイルカンパニーである。
まなびのポイント 1:ガーデン&エクステリアの市場とトレンド
コロナ禍を経て、生活者の住宅に求める価値観は大きく変化した。自宅で過ごす時間が長くなり、「機能」に加え「快適性」を求めるニーズが拡大している。
市場について見ると、現在の総住宅戸数は6200万戸(うち空き家800万戸)。そのうち1%が、30万円の庭空間のリフォーム・リノベーションに取り組めば約1800億円の市場があると考えられる。
まなびのポイント 2:暮らしの付加価値を高める商品戦略
1.暮らしの付加価値を高める商品の企画開発
住宅コンセプトや玄関周りを豊かにする空間カスタマイズと、ガーデン&エクステリア全般を取り扱うフルラインナップでトータル提案を行う。
2.「5thROOM」コンセプト提案による付加価値向上
住宅におけるリビングと庭の区分を「見る庭」から「出る庭」へ。
快適性を高める住空間の提案と、既存物件に付加価値をつけるプランニング。
3.施工負荷を軽減する商品開発
職人不足の環境下において、高い技術を持たなくても施工ができる商品を提供(電気資格が不要なローボルトライト、エバーアートボードによる貼り付けで済む施工など)
まなびのポイント 3:デジタル戦略による付加価値向上
1.パース4K動画・VR制作サービス
戸建住宅やマンションの販売促進支援として、社内で内製化した動画作成をサービスとして提供。見込み客へ動画を通じたイメージを持ってもらうことで受注確度の向上という付加価値に繋げている。
2.専用の無料アプリによるVRシミュレーション
CADを使わずに、提案現場でCG合成を行うことで、「誰でも簡単に短時間」でプレゼンテーションが可能なツールを提供。
写真は講演資料より抜粋