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モデル企業

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【企業事例】優れた経営戦略を実践する企業の成功ストーリーを紹介します。
モデル企業 2024.09.02

「支援と貢献」が循環する企業コミュニケーション

LIFULL

究極のゴールはサービスがなくなること

 

FRIENDLY DOORのカテゴリーは「フリーランス」「家族に頼れない若者」などが加わって9つに増え、接客チェックリストも4カテゴリーに拡大。フレンドリー物件一覧が閲覧可能になりサポートデスクも開設するなど、より使いやすい「お客さまファースト」へのブラッシュアップが続いている。

【図表】FRIENDLY DOORが対象とする9つのカテゴリー


出所 : FRIENDLY DOOR公式サイトより

 

「登録店が約3万店あるLIFULL HOME’Sと比較すると、FRIENDLY DOORの登録店はまだ2割程度です。裏を返せば、それは伸びしろがあるということ。SNSで支援の反響も多くなりました。非営利団体ではなく上場企業の取り組みですから、売り上げや利益は明確な方針とKPI(重要業績評価指標)を掲げていますし、順調に収益化しています」(小田氏)

 

龔氏と小田氏が思いを共有する究極のゴールがある。それは、まずはFRIENDLY DOOR の登録店の数がLIFULL HOME’Sと並び、その先にいつの日か「FRIENDLY DOORがなくなること」だ。最近は業界全体に住宅弱者問題の解決ムーブメントが広がり、同様の取り組みを開始する競合サービスが出現している。

 

「同業他社が住宅弱者問題に関するサービス提供することを、龔は喜んでいます。『住宅弱者がいなくなるように追随してくれることは大歓迎でうれしい』と。私自身、FRIENDLY DOOR事業の力強さを実感していて、PRアワードの審査委員長である本田哲也さんの選評が全てを物語っています。

 

『最初からPR発想で開発された商品や事業は、それ自体が情報として自走し、他社への巻き込み力を発揮する』と。PR発想とは、良好な関係をつくるパブリックコミュニケーションのことで、社会課題の解決と同義です。より良い社会にするために生まれたサービスは、人々を巻き込んで、応援されるのです。

 

PRチームにも仕掛け時というか、世の中の風を感じる力がありました。例えば10年前にプロモートしても、これほど社会に響かなかったはずです。社会的な弱者への関心が高まり、変えよう、変わろうという動きが芽生えていることを感じます」(小田氏)

 

一貫した企業姿勢と的確なコミュニケーションで、LIFULLは世の中に新しいムーブメントを起こしている。


LIFULL クリエイティブ本部 ブランドコミュニケーション部 PRグループ 小田 裕美氏

 

 

(株)LIFULL

  • 所在地 : 東京都千代田区麹町1-4-4
  • 設立 : 1997年
  • 代表者 : 代表取締役社長執行役員 伊東 祐司
  • 売上高 : 364億500万円(連結、2023年9月期)
  • 従業員数 : 1670名(2023年12月現在)