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【研究リポート】

PR/広報研究会

クロスメディア時代を生き抜くために欠かせない「PR/広報」の本質的価値と、顧客体験価値向上に成功している企業の事例を通して、最適なコミュニケーション手法を研究します。
研究リポート2024.04.05

中小企業・小規模事業者のプレスリリース活用法:PR TIMES

【第1回の趣旨】
SNSの普及により世の中の情報量が爆発的に増え、メディアの多様化と生活様式の変化によって、消費者の情報収集の仕方も変化してきた。さらに、広告よりSNSの影響力が増してきたことで、企業の関知しない消費者間による情報拡散が進んでいる。こうした中、BtoB企業・BtoC企業のどちらにおいても、ステークホルダーの共感を得る情報を生む「PR/広報」という考え方が、あらためて注目されている。

タナベコンサルティングのPR/広報研究会は、「クロスメディア時代の経営モデルに必要不可欠なPR/広報の本質的価値と最先端事例を学ぶ」をテーマに、 PR/広報戦略を立案・実行している企業に学ぶ。
第1回は、ゲスト3社(アスカネットとカーツメディアワークス、PR TIMES)に、新規事業で報道連鎖を起こす取り組みや、効果的なプレスリリースの作成方法を学んだ。

開催日時:2024年2月26日(東京開催)

 

 

 

株式会社PR TIMES
第一営業本部 柏木 択斗 氏

 

 

はじめに

PR TIMESは、国内シェアナンバーワン、累計100万件のプレスリリースが集まるPRプラットフォーム「PR TIMES」を中心に、社会を前進させるイノベーションを起こすべく、PR/コミュニケーション領域でさまざまな事業を展開している。

 

「PR TIMES」の利用企業社数は、大企業からスタートアップまで合わせて9万1115社。上場企業のうち56.7%(2276社/4016社)が利用している。サイト閲覧数は約9000万PVで、PR TIMESのプレスリリースを原則原文のまま転載するパートナーメディアは約250媒体(同)となっている。(2023年11月時点)

 

 


 

まなびのポイント 1:プレスリリースを通じた情報の広がり方

プレスリリースには、次の2通りの伝わり方がある。

 

①企業からの発信(プレスリリース)がメディア(テレビや新聞、ニュースメディアなど)を通して生活者に伝わる

②プレスリリース自体がウェブ上で生活者に直接届く

 

重要なポイントは、SNSの普及などにより、生活者が「第三者発信のメディア」となっていることである。メディアだけでなく、一般の生活者が共感し、シェアしたいと思ってもらえる発信を意識することが拡散につながっていく。

 

同じ内容でも、プレスリリースの作り方によって、拡散されるか、されないかが大きく変わってくることを理解する必要がある。

 

 

まなびのポイント 2:「長期的な信頼を獲得する」ことで効果を最大化

PR/広報に取り組む目的は、マーケティング、ブランディング、リクルーティングなどである。潜在的な顧客(生活者)ニーズを理解し、そのニーズに応える活動を行い、情報を伝えることが重要である。一方的な情報発信は、生活者に届かない。社会の声(社会課題)に耳を傾け、思いを馳せる(広聴)ことが必要となる。

 

その上で、地域<日本<世界<地球と、社会を見るレンズの倍率を変化させ、メディアや社会が知りたいものに自社をリンクさせていく。そして、プレスリリースだけでなく、記者発表会、メディアピッチ、SNS、オウンドメディアなどを組み合わせ、届ける効果を最大化させていく。

 

 

 

 

まなびのポイント 3:効果的なプレスリリースを作成する5つのポイント

①5W2H+1W(To Whom:誰に)をくまなく洗い出す

⇒初めてその情報を知る方に価値が届くように内容の整理が重要

 

②社会のニーズに答えられる要素を見つける(=メディアフック)

⇒自社の情報と社会の接点を明確にし、ニュースバリュー(情報価値)を高める

 

③9つのフックと6つの感情

⇒フックと情報から生まれる感情を想像し、社会に伝わるイメージを具体化する
+α「TOPPING」PRのフレームワーク

 

④逆三角形の構成で全体設計

⇒最も伝えたいことや重要な事柄は冒頭に記載 (要点→内容の説明→補足)

 

⑤「結→起→承→転→展」とファーストビューの重要性(クリエイティブ)

⇒結=リード文 要点をまとめ冒頭に分かりやすい言葉でまとめる
リード文、メイン画像(ファーストビュー)で要旨を端的に表現
※そのまま転載されることも多い

 

 

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