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【研究リポート】

ライフスタイルビジネス研究会

変容する社会課題や顧客課題を的確に掴み、ドメインとバリューチェーンの拡大を切り口にした新たな「ライフスタイル価値」を創造するための真髄に迫ります。
研究リポート2023.08.02

地球と人にやさしいサステナブルホテル~CXを最大化する宿泊体験価値とは~:株式会社EMウェルネスリゾート

【第4回の趣旨】
ライフスタイルビジネス研究会では、「CX(顧客体験価値)を追求し、真のライフスタイルカンパニーへ進化しよう」をコンセプトとして掲げている。第4回は、①「地域に根差し顧客課題を解決するドメインの多角化」、②「社会課題解決×ビジョンによる顧客体験価値の創造」、③「コアバリューを主軸としたバリューチェーン×ドメイン拡大」の3つをテーマに、これらを実践する2社をゲスト講師としてお招きし、講演いただいた。また、視察会場としてEMウェルネスリゾートが運営する「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」を見学した。

開催日時:2023年3月31日(沖縄開催)

 

株式会社EMウェルネスリゾート
代表取締役社長 総支配人 西渕 泰 氏

 

はじめに

EMウェルネスリゾートは、「ココロとカラダにスローウェルネスの癒し」をコンセプトに、EM研究機構を中心としたEMグループの一員として2005年に設立。

同社が運営する「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」では、自然界で有用な乳酸菌・酵母・光合成細菌などの酸化抑制の働きを持つ微生物を集めた液体「EM」を活用し、無農薬で安全・安心な野菜を使用した食事を提供している。

また客室では、内装から家具に至るまで利用客が使用する場所全てにEM処理を施しており、体と環境に優しいライフスタイルを提供している。

 


「EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾート」の外観


 

まなびのポイント 1:EMの研究力を生かしたグループ全体による体験価値の創造

 

同社が所属するEM研究機構では、EMの研究を基礎にさまざまな事業を展開している。例えば、発酵健康飲料「EM・XGOLD」「EM・WATER」の製造や、海外に対してEMライセンスやEMを活用したエビ養殖のノウハウを提供している。

また、グループの一員である農業生産法人サンシャインファームは、EM技術で野菜を栽培したり、EM発酵資料を与えて鶏を飼育している。

EMウェルネスリゾートが運営するEMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾートでは、グループ全体の取り組みで得た食材・洗剤・アメニティーアイテムによって「EMを活用した人と地球にやさしいサステナブルなライフスタイル」が体験できる。EMによる開発力を生かし、そこから同社の宿泊事業を含めた価値連鎖につなげているのだ。

 


発酵健康飲料「EM・XGOLD」

 

 

まなびのポイント 2:「健康」という体験価値にこだわったホテルづくり

 

EMウェルネス 暮らしの発酵ライフスタイルリゾートは、前述の通り「サステナビリティ」という価値提供にこだわりながらホテルを運営している。

例えば、食材に関しては直営農場「サンシャインファーム」の有機栽培野菜や無投薬の平飼い卵、地元食材を中心に調達。客室のクリーニング時には、化学薬品を含まないオリジナルの発酵液を使用。また、健康や発酵食品に関するワークショップも実施している。

結果として、健康への関心が高い利用者に評価されてリピートにつながったり、利用者の口コミや紹介から新たな顧客を創造している。

 


ケミカルフリーの客室

まなびのポイント 3:100年先の地球の未来を考えた持続可能な社会システムを構築

 

EMグループでは、「私たちは10年、20年そして100年先の地球の未来を考え、微生物技術を活用した新しい形の社会貢献で持続可能な社会システムの構築を目指します」という思いを掲げている。

現代において、農薬や化学肥料による環境負荷の増大、食品添加物やストレスによる心身の不健康が社会的課題となっている。このような課題に対して同社では、化学物質を使用しないEMを活用したサービス・製品を社会に提案、提供することで、環境負荷の低減や心身の健康をもたらし、持続可能な社会システムの構築を目指している。


EMグループが目指す社会の姿

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