メインビジュアルの画像
研究リポート
マーケティングイノベーション研究会
顧客の購買行動が激変する時代の中、コミュニケーションモデルを新たに創造し実践するため、最先端のマーケティング事例を学び、自社での展開をサポートします。
研究リポート 2023.07.25

【徹底解説!】真に価値のあるBtoBマーケティングと、広告効果を最大化する効果測定:株式会社テレシー

【第5回の趣旨】
当研究会は、「自社のファンを創造・育成するためのコミュニケーション設計を最先端事例から学ぶ」という趣旨のもと、ゲスト講師をお招きし、LTV向上の成功ポイントについて事例を交えながら紹介している。
第5回は、BtoBマーケティングおよび広告の効果測定についてテレシーに学び、パーパス経営と企業ブランディングについてたきコーポレーションIGIに学んだ。

開催日時:2023年6月16日(東京開催)

 

株式会社テレシー
代表取締役CEO 土井 健 氏

 

株式会社テレシー
取締役CPO 吉濱 正太郎 氏

 

 

はじめに

2021年に設立したテレシーは、戦略策定、クリエイティブ企画・制作、テレビCMを含むあらゆる媒体のメディアプランニング、効果測定までをワンストップでサービスを提供するマーケティング会社である。テレビCMを出していなかった企業のテレビCMをワンストップでサポートし、ネット広告と同じ指標で効果を可視化できることを強みとし、設立2期目で売上高63億円を突破した急成長企業だ。

 

同社の特徴は、「プラットフォーマーでもあり、広告代理店でもあり、広告主でもある」という点である。全く同じ特徴を持っている企業は業界でも少なく、だからこそ計画~運用~分析まで確かなPDCAを回すことが可能となる。

 

同社の代表取締役CEO・土井健氏と取締役CPO・吉濱正太郎氏の講話から、価値を高めるBtoBマーケティング戦略の着眼点と、広告効果を最大化するための効果検証のポイントを学んだ。

 

 


 

まなびのポイント 1:成果を出すための狙うべき「認知」の見極め

動画メディアは今日広く利用されているが、求める効果はレスポンス広告(視聴者にリアクションを頂くもの)ではなく、「認知広告」である。しかし、漠然と広いターゲットに対して認知獲得を目的とした動画広告を出すと、真の成果を出すことは難しい。

 

真の成果を出すには、「狙う認知」をあらかじめ定める必要がある。具体的には、①商品・サービスのカテゴリ認知度の高低、②サービスの認知度の高低だ。この2点をポジショニングマップとして描き出し、自社が誰の認知獲得を狙うべきかを検討することが重要である。

 

 


ポジショニングマップによる狙うべき認知ゾーン
出所:テレシー講演資料

 

 

まなびのポイント 2:“効果検証”まで設計したPDCAの「P」

PDCAの「P(プラン)」の段階でクリエイティブ領域に重きが置かれ、効果検証はPDCAの「C(チェック)」段階になってから考え始める。これは、企業が広告出稿をする際によくあるケースだ。しかし、「C」の段階で考え始めると、成功・失敗の判断が後付けになったり、そもそも成果を決める判断基準が曖昧になったりするという課題がある。

 

事前対策として、「P」の段階で調査・分析を実施し、広告実施前と実施後の差分を明らかにする。その上で、分析結果から見えた部分の改善をすることが、広告効果を最大化するために重要となる。

 




出所:テレシー講演資料

 

まなびのポイント 3:後発企業であるからこその強みを生かす

世の中の企業の大半は後発企業であり、市場に競合他社が数多く存在する。先発企業との差別化を強みとするためのポイントは、次の2つである。

 

①オセロのかどをとる

②「電博」という言葉の発明

 

①は、効果的な市場ポジショニングである。テレシーの場合は、競合が注力していないSEO対策において「テレビCM」などの主要関連ワードで検索上位に入ることや、運用型テレビCM市場調査報告書をリリースすることで、「テレシーが市場における第一人者である」というブランディングを行った。

 

②は、大手広告代理店の電通と博報堂を指す言葉である。業界2位の博報堂が生み出した言葉であり、1位の電通の頭文字と組み合わせることによって、電通と同じタイミングで自社を想起させる効果を持つ。テレシーはこの事例を基に、運用型テレビCM業界のパイオニアであるノバセルとテレシーが比較される仕組みづくりを、マーケ戦略を通して行った。

 

ブランディング・戦略PR支援サービス特設サイト